著者
古賀 敬太 コガ ケイタ Keita Koga
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.77-96, 2015-01-31

Tadao Yanaihara(1893-1961) was a pious Christian, a follower of Kannzo Uchimura. On the basis of his Christian faith, he fought against the imperialistic war and the exclusive hyper-nationalism which oppressed freedom of thought and conscience from 1932 to the end of the war. This article attempts to make clear the character of his conception of pacifism, nationalism, and the Emperor system. He regarded himself as a prophet for Japan and felt a responsibility and mission to warn against the militaristic government and nationalistic people, as Isaiah and Jeremaiah did in the Old Testament.

言及状況

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…内務省を経由して、文部省に伝達されたことにより、文部当局はこの事実を知り、 東大総長に矢内原の解職を求めた。十二月矢内原は、辞表を提出し、東大を去る。 https://t.co/YLCb4DU06u
矢内原は、「藤井の言葉『日本の現状には愛想を つかす。こういう日本の国は滅びよ。きょうは日本の国を葬うべき日である』をひいて、自 分も同感である、日本は滅びよという話をしたのである。」と述べている。それが警視庁の 耳にはいり、… https://t.co/YLCb4DU06u
「平和は望ましい。国際的にも、植民地的にも、又国内的にも。併し自由無きところ、 真実の平和の基礎はない。武断的統制の製造する平和は、虚偽仮装の平和であって、 常に爆発の危険を内蔵する。」 https://t.co/YLCb4DU06u
この点に関して矢内原は、「正義原則が発現 する形式は平和である」と主張している。つまり、正義は戦争という方法ではなく、平和 的な手段で実現すべきという見解である。 https://t.co/YLCb4DU06u
矢内原にとって、 日中戦争は、正義に反する戦争なのである。 https://t.co/YLCb4DU06u
当局との対立が顕著となるのが、一九三七年夏に勃発した盧溝橋事件、つまり日中戦争 の発生である。矢内原は、一九三七年八月に「国家の理想」(『中央公論九月号』を書き、 日本の侵略戦争を批判した。この雑誌は発行とともに、発売禁止となった。 https://t.co/YLCb4DU06u
また一九三五 年には、大正デモクラシーの有力な憲法学説である美濃部達吉の天皇機関説が攻撃され、 発禁処分に処せられている。矢内原の思想や行動も、この時代の荒波の中で、「非国民」 的なものとして、攻撃の対象とされていくのである。 https://t.co/YLCb4DU06u
一九二五年には治安維持法が制定され、一九二八年には 大森義太郎、河上肇、 向坂逸郎といったマルクス主義者が大学を辞職することを余儀なくされ、一九三三年には、 京都帝国大学教授で刑法学者の滝川幸辰の著書が、発禁処分に処せられた。 https://t.co/YLCb4DU06u
外においては、満州や中国に対する侵略、内に対しては 軍部の横暴や思想の弾圧を鋭く批判したのである。こうした批判に際して矢内原は、イス ラエルの腐敗や堕落に対する神の裁きが近いことを警告し、…悔い改めを 迫った預言者イザヤやエレミヤに https://t.co/YLCb4DU06u

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