著者
太田 聡一
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.173-181, 2020-03-19

英語によるオーラルコミュニケーション能力を重視する昨今の英語教育の流れにあって,大学を含む教育機関における英語カリキュラムは,従来の訳読中心の授業から英会話を中心とした,学習者がより多く英語を聴き,発話を行う形式の授業へと変化している。一方で,大学等高等教育機関に在籍する障害学生の数は年々増加しており,平成28年度に施行された「障害者差別解消法」によって,障害を持つ学生の就学に際し,教育機関は合理的配慮をすることが努力義務とされた。聴覚障害のある学生にとって,オーラルコミュニケーションを中心とした英語の学習は多くの困難を伴うものであり,支援を提供する教員および各教育機関もまた,適切な支援を模索し試行錯誤を続けている。本論では聴覚障害学生がオーラルコミュニケーションを含む英語の授業に参加する際の支援について,そこに関わる複数の要素(聴覚障害学生,英語教員,音声字幕システム,ノートテーカー)を先行研究,および東北福祉大学での事例をもとに整理・検討し,将来の支援体制向上に向けた考察を行った。

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