著者
藤森 馨
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.73-83, 2008-12-25

真名鶴神話(真鶴神話・八握穂縁起とも)とは、六月・十二月十一日神今食と十一月中卯日新嘗祭の祭月朔日に、天皇に供進される忌火御饌の起源神話として、神祇官から村上天皇に天暦三年(九四九)に上奏された『神祇官勘文』に見られる神話である。その内容は以下の通りである。倭姫が天照大神を奉じ、伊勢国壱志郡を発し、佐志津に逗留した際、夜間葦原で鶴鳴を聞いた。使者を派遣し、捜索させたところ一隻の鶴が八根の稲穂を守護していた。倭姫はこれを苅り採り、大神の御饌に供えようとし、折木を刺し合わせ火鑚をし、彼の米を炊飯。大神に供奉し、この時から神嘗祭は始まった。そして以後三節祭毎に御飯を供進したという。こうした火鑚を行って鶴が守護した稲を炊飯する儀を忌火といい、宮中の忌火御饌の起源であると神祇官より村上天皇に上奏されたのである。すなわち、この神話伝承によれば、宮中の忌火御饌は、伊勢神宮内宮の由貴大御饌神事と不可分な関係があるという。のみならず、天皇親祭の形式で執行される六月・十二月十一日神今食と十一月中卯日新嘗祭と祭祀構造を同じくする神宮三節祭、すなわち六月月次祭・九月神嘗祭・十二月月次祭との関係を考える上でも、宮中の忌火御饌供進儀と神宮の由貴大御饌供進儀との密接さを窺わせる神話は看過できない。本稿では宮中の嘗祭の延長線上に神宮三節祭があることを検討してみたい。

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@isejingu125 伊雑宮所轄第一位の宮ですね。坤の裏鬼門を向く非常に重要な神社で、ここと伊雑宮を結ぶ道を御幸道と呼びます。 大歳神は穀物神で伏見稲荷にもウカノミタマ命の兄として祀られています。 真名鶴は伊勢志摩の伝承にありますね。興味のある方はこちら https://t.co/XBzezd8EZr

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