著者
溝口 聡 So Mizoguchi
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.163-180, 2020-09

本稿はレーガン政権のAIDS政策の問題点を内政と外交の二つの視点から明らかにするものである。同政権のAIDS対策への評価は、概して保守とリベラルという国内政治の文脈から論じられてきた。大統領には、政権の支持基盤である保守派への政治的な配慮からCDCやNIHが推奨する性教育や大規模な予算を組んだ対策に対し、消極的な姿勢を続け、国内のAIDS被害を拡大させたとの厳しい評価が下されてきた。本稿はこうした国内での政権の対応の悪さが、過剰な移民規制やアメリカの国際的信用を貶めるため、AIDSを利用したソ連のプロパガンダの信憑性を高めるという悪循環を生んだことを明らかにした。すなわち、レーガンの消極的な対応は、同性愛者やアフリカ系アメリカ人コミュニティ内のAIDSによる社会的偏見に最も苦しめられた人々の中で、AIDSはアメリカ政府が製造した細菌兵器であるとの偽情報を受け入れる隙を作ったのである。

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【ロシアの主張】 HIVをアフリカに広めたのはアメリカ。 https://t.co/C6Bb8TYIs5 https://t.co/Pu4UBPnKoG
昨日コロラド先生が言及していた、レーガン政権とAIDS問題に関する論考、見つけて読んだ。 最近の論考なんですね。初出があるのかもしれませんが。 溝口聡(関西外大) レーガン政権とAIDS問題:1980年代の政治外交課題としての感染症対策 研究論集:112,163-180,2020-9 https://t.co/TwtiYGu8ge

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