著者
田澤 薫
雑誌
聖学院大学論叢 = 第35巻 (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.第1号, no.9152539, pp.1-17, 2022-10-28

興望館セツルメントは,1919年の創設以来,保育事業を実施し,第二次世界大戦が激しくなると,1944年に戦時託児所に転換した。この研究では,興望館セツルメント資料室に保存される戦時託児所時代の保育日誌を用いて,興望館セツルメント戦時託児所における保育内容を明らかにした。戦時託児所制度は,旧来の幼児教育や保育を否定する「戦時託児」をすすめるものであった。しかし,興望館セツルメント戦時託児所では,新たな活動は積極的に取り組まれておらず,警報への対処に追われるなど実質的な活動が行われにくい状況にあった。東京大空襲後に長野県に移転した後は,戦時中であっても,戦時託児所に転換する以前のような保育活動がなされていたことが確認された。

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PDFあり。 ⇒田澤薫 「戦時託児所の保育に関する史的検討 : 興望館セツルメントの事例から」 『聖学院大学論叢』第35巻第1号 (2022/10) https://t.co/MkMT97ys7K

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