著者
鳴海 史生 Fumio NARUMI 尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.35-42, 2009-11-01

「固定ド・移動ド」は単なる譜読みの方式ではなく、音楽解釈や演奏にまで深くかかわる。本学に入学してくる学生たちの大半は、現代日本の音楽教育環境を背景として「固定ド」しか知らないのだが、その現状を放置することは許されないであろう。歴史をひもといたときに明らかなのは、「ドレミファ…」は元来、階名、つまり「移動ド読みのためのツール」だということだ。一方、固定ドは平均律に調律された現代ピアノを拠り所としている。それは一見、便利かつ合理的なものにみえるが、われわれは平均律そのものの欠点をよくよく認識しなくてはならない。「良い音楽家」を目指す者には、やはり「移動ドのセンス」が必要なのである。

言及状況

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新聞投書は1988年5月の『朝日新聞』へのもので、以下の研究ノートの39~40頁に引用されています。 https://t.co/vVZCJY11WV https://t.co/9PxFFEI4sq
なお、バロック時代といえば、J. S. バッハ自身がドレミ階名(移動ド)を使っていて、いわゆる『平均律クラヴィーア曲集第1巻』序文ですべての長調・短調のことを「すべてのドレミとすべてのレミファ」と表現しています。詳細はこちらhttps://t.co/vVZCJXISINの38頁です。 https://t.co/U3NbWgypTM
『音楽の根幹において重要なのは、個々の音の絶対的な高さではなく、あくまで各音高の交互関係(音程)である。』(本文より) すべての音楽学生と教育者に読んでいただきたい論文ですね。 尚美学園大学芸術情報研究第16号『「固定ド・移動ド」をめぐって』 https://t.co/Kw0AJlSDfQ
入試科目にソルフェージュがない音楽大学では学生がドレミ階名(いわゆる「移動ド」)の存在すら知らない者ばかりになっていることについて、こちら(https://t.co/vVZCJXISIN)の記事の36~37頁にある「1.『移動ド』を知らない子どもたち」に書かれてます。 https://t.co/MSAZhdtG24
@REIKO_Musica @ribun_t @motegitomonari 実は、それは「固定ド」「移動ド」問題に関する議論ではよく引き合いに出される投書で、例えば #正しいドレミの歌い方 の私の共著者である鳴海先生が書いた以下記事の39~40頁に引用されています。1988年5月11日付の『朝日新聞』への投書です。 https://t.co/vVZCJXISIN
@shotamiyazaki_p 音高の変化にともなう音楽の聞こえ方については、例えば以下の記事の39頁では、音高が高ければ「概していっそう輝かしく聴こえ」、低ければ「概して落ち着きや暗さ、渋さを感じさせる」と表現されています。 https://t.co/4xDDp1EWfL
あるいはこちら: https://t.co/vVZCJXISIN
あるいはこちらから: https://t.co/vVZCJXISIN

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