著者
塚田 花恵
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 = Kunitachi College of Music journal (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.181-191, 2022-03-31

本稿は、19世紀フランスの作曲家エクトール・ベルリオーズが執筆した小説『ユーフォニア、あるいは音楽都市』のうち、最初の「第一の手紙」と「第二の手紙」を、日本語に翻訳したものである。この小説は、1844年に音楽雑誌『ルヴュ・エ・ガゼット・ミュジカル・ド・パリ』に発表され、その後『オーケストラ夜話』(1852年)の一部となった。ベルリオーズはこの小説において、ファム・ファタルによって狂わせられていく二人の青年作曲家――これらの登場人物は、ベルリオーズ自身と、かつて彼と恋愛関係にあったピアニストのカミーユ・モークをモデルとしている――の悲劇を軸として、同時代のヨーロッパの音楽文化を、ときにユーモアを交えて鮮やかに描き出した。ベルリオーズの伝記的な資料としても、19世紀フランスの音楽批評としても、第一級の史料的価値をもつテクストだと言えるだろう。

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塚田花恵さんが翻訳したベルリオーズの小説『ユーフォニア』冒頭部が国立音大の紀要に掲載されています。1844年音楽雑誌に発表、その後『オーケストラ夜話』(1852年)の一部となったもので、同時代ヨーロッパ音楽文化をユーモアを交えながら描き出したというもの。 https://t.co/ajLt2DOsyk

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