著者
降簱 光太郎 Kotaro FURIHATA
雑誌
淑徳大学短期大学部研究紀要 = Shukutoku University Junior College bulletin (ISSN:21887438)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.63-81, 2022-02-25

日本診療情報管理学会は、診療情報の管理・点検と、それに関連した業務を専門的に行う診療情報管理士が、円滑かつ合理的に業務を実施し、医療提供における本来の役割を担い得るよう、2011年に「診療情報管理士業務指針」を公開している。近年の動向を受けて、今後の診療情報管理業務で留意すべき点を改訂した「診療情報管理士業務指針2021」について、テキストマイニング手法を用いて統計的分析を行う。現下の診療情報管理士の業務内容および今後の方向性について、さらに、「診療情報管理士業務指針2021」の成り立ちについて、客観的なデータとして可視化し、構造的に詳らかにすることができるかを試みた。結果、業務指針として、専門職としての定義や業務内容に関連する語が網羅され、さらに、診療情報管理士の地歩として、病院内の部門連携などの医療領域だけではなく、情報管理の専門職の立場から介護領域においての役割が求められている状況であることが説示されていることを明視化、確認することができた。探索的分析の結果、「診療情報管理士業務指針2021」を改訂した大きな理由として、日本医療情報学会と日本診療情報管理学会が合同で取りまとめた「退院サマリー作成に関するガイダンス」の活用と普及が析出された。「診療情報管理士業務指針2021」の章立てとして、章の棲み分けができていること、そのコンテキストにおいて「介護」「電子カルテ」「システム」「退院サマリー」「標準化」について、待ち望まれる業務として位置付けていることを客観的なデータとして可視化し、構造的に詳らかにすることができた。

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