著者
狩野 紀子
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.61-80, 2019-03-29

近年,アカデミック・ライティングやリサーチペーパーの執筆指導を英語の授業で実践している大学は少なくない。執筆するためには,英語論文を読んで理解することがまず必要であるが,論文読解指導に関する調査・研究は少なく,教科書や指導書の数も限られている。そこで本研究では,英語を専攻する学生を対象に,英語論文の構成や頻出する表現を中心に,論文の読解方略を指導・訓練した。1 学期間の指導の結果,論文構成の理解を基に行うscanning力には伸長が認められた。また,特に指導はしていないが,論文中に頻出する「論文に関する用語」や「統計に関する用語」の理解にも進歩がみられた。それに対し,重要情報である研究の目的,方法,結果の精読に関しては,限られた効果しか認められなかった。短期間の指導で,学生はある程度は英語論文を理解できるようになるが,複雑な構造の文の理解や概念の理解には,さらなる指導が必要となることが示唆された。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 2 favorites)

・英語論文読解の教育の効果について ・指導方法は、タイトルから概要を、また要約から言及されていそうな内容(生物学なら実験系と結果も?)を予測する、読んだらインデックスカードに重要事項を記入など CREATE法という読み方のテンプレもあるらしい https://t.co/qwfP4HJHOn
論文構成の理解を基に行うscanning力、未指導の論文中に頻出する「論文に関する用語」や「統計に関する用語」の理解が高まるが、重要情報である研究の目的,方法,結果の精読では効果が限られる⇒ 大学生の英語論文読解指導法 https://t.co/vKLEH5nCDk

収集済み URL リスト