著者
北市 仁 中谷内 修 柳井 清治
出版者
石川県立大学
雑誌
石川県立大学研究紀要 = Bulletin of Ishikawa Prefectural University (ISSN:24347167)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-8, 2022

石川県に生息するサクラマスの野生集団および県内で飼育される種苗集団に対して、マイクロサテライト10遺伝子座を用いて遺伝的集団構造の把握を試みた。石川県内の8水系10河川集団から採集した野生サクラマス145個体と県内の漁業関係機関等から提供してもらった4系統群の人工種苗サクラマス20個体をそれぞれ遺伝子解析に供した。その結果、調査した野生サクラマスの各集団は遺伝的多様性が高く保持されていることがわかった。また帰属性解析の結果から、野生サクラマス集団は3つの遺伝的クラスターに分けられた。このうち2つのクラスターは加賀地方と能登地方に由来する地理的なクラスターであったが、残り1つのクラスターは人工種苗の放流によって人為的に作られたクラスターであることが示唆された。このことから、石川県の野生サクラマス集団は過去に人工種苗放流による遺伝的撹乱を受けた可能性があると考えられた。

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石川県におけるサクラマスOncorhynchus masou masou の遺伝的集団構造 ―人工種苗放流の影響について― https://t.co/VT8vQ1sTEd
石川県におけるサクラマスの遺伝的集団構造 ―人工種苗放流の影響について―。北市他 2022(日本語論文、オープンアクセス)https://t.co/wUy86wvOJl マイクロサテライト解析から、石川県のサクラマス野生集団の一部は遺伝的撹乱を受けた可能性を示しています。#論文紹介

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