著者
庄司 俊之
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.97-104, 2020-03-23

この研究ノートは死生観の歴史的変遷と現在を考えるための視点についての覚書である。第1節では、現代の状況を考えるための視点としてバウマンの「液状化する社会」を挙げる。そして液状化にもかかわらず、あるいはそれゆえに、きわめてシンプルな死生観に収斂していく可能性について述べ、さらに今日「死生観を問う」こと自体が政治的効果を発揮しうることを言う。つぎの第2節では、2019年にオランダで議論された「認知症の安楽死」をとりあげ、これを死生観全体でいえば先端部分に位置する論争点と理解したうえで、その歴史的な経緯や行方について考える。そして第3節では、先端から底辺へ視点を移し、戦後日本における死生観の変容について、そして世界史的な転換の構図について触れる。最後の第4節では、死生観を考える際に見落とされることの多かった生の諸相について、排泄と食べることを例にとって若干の考察を行なう。

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