著者
田中 孝幸 桐野 秋豊 箱田 直紀
出版者
九州東海大学農学部
雑誌
九州東海大学農学部紀要 (ISSN:02868180)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-7, 2001
被引用文献数
1

ワビスケツバキ19品種について形態学的及び歴史的に調査を行った.その結果,'太郎冠者'はピタルディツバキC.pitardiiとヤブツバキC.japonica間のF1雑種で,'胡蝶侘助'が花壇地錦抄に現れた1695年以前に起源があるものと思われた.さらに,'太郎冠者'以外のワビスケツバキ品種群は2つのグループ,すなわち,狭義のワビスケツバキ品種群と'西王母'タイプのもの及びそれらの中間の形質を持つものに分けられた.広義のワビスケツバキ品種群をピタルディツバキC.pitardiiとヤブツバキC.japonica間のF1雑種('太郎冠者')あるいは戻し交雑世代のもの(多くはBC1)であると定義した.