- 著者
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正井 泰夫
- 出版者
- お茶の水女子大学地理学教室
- 雑誌
- お茶の水地理 (ISSN:02888726)
- 巻号頁・発行日
- no.8, pp.3-8, 1966-09
最近,都市化は学界・言論界をはじめ,あらゆる分野で大きな問題となっている。教育界においても列外ではない。都市化は単に農村的な現象が都市的なものに変容する過程と状態をさすのみならず,未利用地の都市的利用や都市的利用のより高度な都市的利用をも含めて,都市化と呼ぶことも多い。現代の日本は「都市化の時代」と呼ぶにふさわしいほど,全国で大規模な都市的開発が活発に行われているが,それに関連するいくつかの事象をつぎの前提を通して考察してみよう。(1) 都市人口は増加し,より広い土地が都市的に使われている。(2) 農地は少しでも農業のために確保しておいた方がよい。(3) 近い将来,生活水準が現在の西ヨーロッパ並みになる。