著者
四元 秀伸 Hidenobu Yotsumoto
出版者
創価大学大学院
雑誌
創価大学大学院紀要 = The bulletin of the Graduate School, Soka University (ISSN:03883035)
巻号頁・発行日
no.43, pp.15-32, 2022-03

少数に支配された法人では「利益を内部に留保して、法人税率よりも高い所得税の段階税率の適用を回避する」1ことが可能となる。そこで法第67 条の留保金課税制度では、少数に支配された一定の法人を対象に、その法人の一定額を超える留保額に課税することで不当な内部留保に対処している。 現在はその対象を一定規模の同族会社に限定し、留保控除額を超える部分にのみ課税される。しかし、本来、内部留保の性質は法人ごとに様々であり、その不当性を客観的基準により一律に判断することは難しい。つまり、同族会社のような少数に支配された法人だけが不当留保を行いうるのか、また、内部留保の不当性を留保控除額という一律の基準で判断できるのかどうか、という疑問が生じる。 本稿では、本制度の目的及び各基準の設定根拠を改めて整理し、現行基準と照らし合わせることでその妥当性に対する一考察を行った。
著者
李 東珉 Min Lee Dong
出版者
創価大学大学院
雑誌
創価大学大学院紀要 = The bulletin of the Graduate School, Soka University (ISSN:03883035)
巻号頁・発行日
no.42, pp.15-30, 2021-03

国際開発協力とは、先進国と開発途上国の間だけではなく、開発途上国内に存在する開発及び貧富の格差を減らし、開発途上国の貧困問題の解決を通じて人間の基本権を守ろうとする国際社会の努力と行動を意味する。そのため、国際開発協力の一つである開発援助の重要性は高い。先進国の援助は当時の韓国経済の復興にとって大きな支えとなり、その結果として韓国は2000年にDAC援助受入国リストから卒業できた。2010年には国際開発委員会(DAC)の24番目加盟国となり、G20ソウルサミット(2010)と釜山で主催された世界開発援助総会(2011)を通し、効率的な援助及び開発効力に向けて主体的な役割を果たしている。さらに2020年は韓国がDAC加盟国になってから10周年を迎える年であるため、「開発効果」を改めて考える重要な起点として認識し、国際開発協力において積極的に提議していくリーダーになる必要がある。