著者
山内 有信 中村 友香 狩谷 標 檜垣 俊介 山城 ミヤ子 稲井 玲子 東元 稔
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-11, 2006-12-20

カテキン類摂取で体脂肪が低減されることが報告されている。しかし,これらの研究は中・壮年層で軽度肥満の者を被験者としているものがほとんどであり,若年層での研究はほとんど見当たらない。そこで,4週間に亘る高濃度茶カテキン飲料の摂取によって体脂肪低減効果が得られるかについて,研究の趣旨を説明して同意を得た健康な女子大学生を被験者として検討を試みた。その結果,BMI,体脂肪量および体脂肪率は有意に低下し,とくに体の部位別の体脂肪率では体幹部が有意に低下した。また,体年齢,ウエスト周囲径も有意に減少し,体重あたりの基礎代謝量は有意に上昇した。これらの結果から,とくに生活習慣病で問題となる腹部脂肪(内臓脂肪)が減少し,生活習慣病予防に対する効果が期待できると考えられた。
著者
末永 昌美 新田 由美子
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-11, 2007-12

原爆被爆者における平均余命と放射線影響の研究を行うために広島大学原爆放射線医科学研究所に登録されている被爆者を用い,1975,1980,1985,1990,1995年における生命表を作成した。1975〜1995年において,原爆被爆者の平均余命は年々延びており,50-54歳の平均余命の延びは,男性2.45年,女性4.32年であった。被爆状況別では,入市被爆者およびその他の被爆者と比べて,爆心地より2km以内で被爆した直接被爆者(直爆者)で平均余命は短い傾向にあった。(1)がん死亡確率は,直爆者で有意に高い傾向にあり,男性では有意に上昇した。(2)がんを除去した場合の余命の延びは直爆者で大きく,特に男性の直爆者で延びは大きかった。以上のことから,入市およびその他の被爆者と比べて直爆者におけるがん死亡に対する放射線の強い影響が確認された。