著者
山内 有信 中村 友香 狩谷 標 檜垣 俊介 山城 ミヤ子 稲井 玲子 東元 稔
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-11, 2006-12-20

カテキン類摂取で体脂肪が低減されることが報告されている。しかし,これらの研究は中・壮年層で軽度肥満の者を被験者としているものがほとんどであり,若年層での研究はほとんど見当たらない。そこで,4週間に亘る高濃度茶カテキン飲料の摂取によって体脂肪低減効果が得られるかについて,研究の趣旨を説明して同意を得た健康な女子大学生を被験者として検討を試みた。その結果,BMI,体脂肪量および体脂肪率は有意に低下し,とくに体の部位別の体脂肪率では体幹部が有意に低下した。また,体年齢,ウエスト周囲径も有意に減少し,体重あたりの基礎代謝量は有意に上昇した。これらの結果から,とくに生活習慣病で問題となる腹部脂肪(内臓脂肪)が減少し,生活習慣病予防に対する効果が期待できると考えられた。
著者
山内 有信 稲井 玲子 東元 稔
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.25-29, 2008-02-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2 4

Guava (Psidium guajava L.) has traditionally been used as a remedy for diabetes mellitus among people in the tropical and subtropical regions. To investigate the preventive effect of guava leaf tea (GLT) on the increase in blood sugar level, several studies were performed both in vitro and in vivo. An in vitro study showed some inhibitory effects of GLT on the activity of α-amylase, a group of starch-hydrolyzing enzymes. It was found that GLT markedly restrained the gastrointestinal transport and absorption of glucose in the small intestine after an oral administration of 1g of glucose to rats. GLT also suppressed the increase in blood sugar levels induced by the glucose administration. These results suggest that the inhibitory effect of GLT on the increase in blood sugar levels may be attributable to its inhibition of saccharolytic enzyme activity, as well as of the gastrointestinal transport and absorption of glucose in the small intestine.
著者
山内 有信
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.51-59, 2022-02-01 (Released:2022-03-12)
参考文献数
21

【目的】核酸(RNA)高含有玄米発酵抽出物(FBR)の摂取が血糖値の上昇を抑制することについて,ラットを用いた一連の実験によってすでに報告している。しかし,この一連の実験は動物実験であり,摂取させたFBRも多量であった。そこで,本研究では,推定通常摂取量付近の摂取でヒトにおいても同様の効果が期待されるかについて経口糖負荷試験によって確認することを目的とした。【方法】健康な若年日本人25名(男性6名,女性19名)を被験者として,約10%濃度のマルトデキストリン水溶液と 5 gの粉末化した通常玄米(NBR)またはFBRの同時摂取による糖負荷試験を,シングルブラインド・クロスオーバー試験にて実施した。なお,血糖値の測定は,30分間隔で糖負荷後120分間実施した。【結果】糖負荷後の経過時間が影響する血糖値の変化の仕方にFBRとNBRで違いはなかった。しかし,FBRの摂取による血糖値の変化は,NBRに比べて緩やかであった。また,糖負荷後120分間の時間曲線下全面積および血糖上昇曲線下面積を計算して比較した結果,実測値計算と変化率計算のいずれにおいても,FBRの同時摂取時はNBR摂取時に比べて有意な低値を示した。【結論】FBRの摂取は,健康な若年日本人においても食後血糖値の上昇抑制が期待できることが示唆された。