著者
西野 春雄
出版者
法政大学能楽研究所
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
no.30, pp.248-215, 2005
著者
小林 健二
出版者
法政大学能楽研究所
雑誌
能楽研究 = 能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.209-219, 2016-03-31
著者
西野 春雄
出版者
野上記念法政大学能楽研究所
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p173-190, 1994-03

ここ数年、能楽界は催しの数も格段に増え、全国各地での薪能も頂点に達した感があった。各地の薪能の開催日・演者や番組・その他の内容について『観世』編集部が一冊にまとた『今年の薪能』が出版される程であるが、近年はバブルが弾けたためか、地方公共団体主催による薪能・野外能は、ひところよりは減少してきており、催会過密の解消にはむしろ歓迎すべき現象かもしれない。薪能ばかりが能の普及や観客層拡大の手段ではないはずで、これまでの成果を踏まえつつ、さらに工夫してもらいたいと思う。また近年の特筆すべき動きとして、横浜・名古屋・大津など地方都市に続々と能楽堂の建設が進んでいることである。国立能楽堂をはじめ各地の既存の能楽堂の長所を積極的に取り入れながら、その地域の特色や立地条件を生かした能楽堂の建設に期待したい。そして、ハードの面もさることながら、ソフトの面での清新な発想を望みたい。多目的がいつのまにか無目的になった例もあるから、慎重に進めてもらいたい。ところで、以前も本欄で取り上げたことがあるが、年間を通じての各流各派の常の会はいうまでもないが、昭和62年から始まった国立能楽堂の研究公演(武文・舞車・当願暮頭)をはじめ、梅若六郎・大槻文蔵などによる活発な廃絶曲の復曲活動や、古演出の復活上演などが、近年積極的に行われている。本研究所でも創立40周年を記念し「鐘巻」を復曲した(彙報参照)。一方、心臓移植の問題を取り上げた多田富雄作「無明の井」、W・B・イエーツ原作・高橋睦郎作「鷹井」などの新作能も盛んで、話題を呼んだ。今後とも、能の精神や技法に基づきつつも、類型にこだわることなく、誤り訛誤を正し、古典に新たな生命を吹き込んでもらいたい。現代と相渉る創作活動は、能が現代の演劇の一翼を担う芸術であるかぎり、将来も積極的に続けられるであろうし、そうあってほしい。ところで、国際化の波はあちこちに現れているが、国立能楽堂主催の外国人のための能楽鑑賞会もそのひとつであろう。年一回の公演ながら、着実な動きを見せつつある。概要を記した英語・中国語・ドイツ語・フランス語・朝鮮語・スペイン語によるパンフレットも有難く、演能に先立ちリチャード・エマート氏による英語の解説もある。さらに有料ながら、モニカ・ベーテ氏とリチャード・エマート氏、及びロイヤル・タィラー氏による戯曲構造に留意し対訳その他にいろいろと工夫が施された解説書も有益で(これまで「松風」「藤戸」「三井寺」の三冊を刊行)、これからも末長く継続してほしい。とくに技法面にも言及した解説書は、類書もあまりなく、これまでの英訳書の水準を抜いており、年一冊づつでも刊行されれば、将来の良き資料となるだろう。あまり知られていないが、国立能楽堂ならではの仕事である。このように能楽界は未曾有の盛況を呈しているが、一方で、シテ方・ワキ方・狂言方・囃子方ともに、それぞれかけがえのない人物を失った。明治の気骨を示した近藤乾三氏・柿本豊次氏をはじめ、激動の時代を支えて来られた方々を見送らねばならなかった。詳しくは物故者の欄を見ていただきたいが、能楽界も新旧交代が進んでいる。しかし、それ以上に、現今の催し物の増大と超多忙な状況が寿命を縮める一要因となっている点も否めない。特に福岡で「砧」を演じ終えてのち数時間後に亡くなられた観世左近氏の急逝は、氏が六十代の働き盛りであっただけに、哀惜の念をいっそう強くする。ところで、昭和五十九年度から始まった国立能楽堂による能楽(三役)研修事業も第一期(一期三年)・二期・三期と進み、第一期生・二期生はすでに舞台に出ている。選考試験に合格し、研修を受けても、途中で辞めていく生徒が出て来るのはやむを得ないとしても、指導に当たった先生方の努力の割りには、歩留まり率がいいとはいえない実情は、早急に検討すべき問題であろう。これまでの成果を踏まえつつ、研修制度の見直しと、遠い将来をも視野に入れた方策を根本的に考える時期に来ていると思う。以下、近年盛んな国際交流を象徴するかのように十年ぶりに開かれた能をめぐる国際シンポジウムの話題、栄誉・受賞、日本能楽会の増員と日本能楽会・能楽協会関係の記事、物故者などの記録を中心に記述する。
著者
表 きよし
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
no.28, pp.1-36, 2003
著者
山中 玲子
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.37-67, 2004-04-10

1 0 0 0 IR 天女舞の研究

著者
竹本 幹夫
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
no.4, pp.p93-158, 1978-07
著者
西野 春雄
雑誌
能楽研究 : 能楽研究所紀要 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.17-33, 2000-03-15

平成十年(一九九八)の能楽界は、前年度の名古屋能楽堂の竣工に続いて、豊田市能楽堂・新潟市民芸術文化会館能楽堂など、地方での能楽堂竣工があいついだことが特筆される。そして、各地に建設された能楽堂の一つのモデルともなっている国立能楽堂が開場十五周年を迎えた年でもあった。関西では大江能楽堂が築後九十周年を迎え、二月には京都の観世会館の築後四十周年記念能が行われた。人事に目を転ずれば、六年ぶりに日本能楽会会員の第十次増員が行われ、あらたに五十七名が新会員となった。また、三月十七日付で葛野流大鼓方の亀井忠雄氏が宗家預かりとなり、五月には、幸流小鼓方の噌和博朗氏と高安流大鼓方の安福建雄氏のお二人が、いわゆる人間国宝に選ばれ、十月には観世流シテ方観世榮夫氏が能楽界から久しぶりに第二十八回モービル音楽賞を受賞するなど、慶事が続いた。他方、一月に歴史家の林屋辰三郎氏、四月に能楽評論家の長尾一雄氏、五月に能楽写真家の吉越立雄氏、六月に元国立能楽堂企画制作課次長の油谷光雄氏、八月に金剛流宗家金剛巌氏、十月に能の英訳を精力的に進めた島崎千富美氏、十一月に『能楽思潮』や「東京能楽鑑賞会」の立ち上げに尽力した佐々木直氏、十二月に能や美術・工芸・紀行・古典などの随筆や評論で知られる随筆家の白州正子氏と、能役者・能楽写真家・能楽研究者・随筆家と、訃報があいついだ。春から夏にかけて喪服を着ない月はなく、詳しくは物故者の欄を読んでいただきたい。能界活動に目をやれば、各流各派の定期的な活動のほか、記念の催しや個人の会・同人会も多く、催会の数の上では盛況を呈しているように見える。しかし、忙しすぎるのも善し悪しで、ともすると惰性に流れる危険性が潜んでいる。また、これまでもしばしば言われて来たことであるが、若い人たちが稽古に充てる十分な時間が確保されているのかどうか心配でもある。流儀あげての別会といいながら、見所がやや寂しい会もあった。また、近年の傾向として、能・狂言の入門・啓蒙書の出版が目立つ。ここでは書名はあげないが、戦後の能楽出版史を概観しても、こんなに刊行が続出した年もないと思う。それに引き換え、謡本が売れなくなっているという。原因の一つにコピー全盛時代を指摘する声もあるが、それは現象面に過ぎまい。謡人口そのものが減少しているようで、根はもっと深い所にあるような気がする。以下、誠に狭い見聞で、しかも関東に傾きがちで恐縮ながら、平成十年の能楽界の出来事や事象を記録を中心に概観し、二十一世紀も間近い能界を展望することにしたい。
著者
表 章
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.107-124, 1976-02-20