著者
池田 浩 古川 久敬
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.145-156, 2005 (Released:2006-02-18)
参考文献数
38
被引用文献数
3

本研究では,リーダー行動に関わる自信を検討した。リーダーの自信を「リーダーとして必要とされる役割行動を確実に実行できると考える度合い」と定義し,それを測定するための測度を開発した。企業組織の管理者170名から得られた回答をもとに因子分析を施した結果,「他者との関係性領域」に関する自信因子(“メンバーの育成支援”,“メンバーとの関係構築”,“組織内外からの支援取り付け”)と「課題遂行領域」に関する自信因子(“メンバーへの権限委譲”,“問題対処行動”,“職場内での目標設定”,“革新行動”)の合計7因子が確認された。また,これらの各因子は十分な信頼性と適切な基準関連妥当性を持つことが明らかになった。最後に,高い自信を有するリーダーのマネジメント志向性について検討した。
著者
古川 久夫 宮口 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.222, pp.167-172, 2007-09-13
被引用文献数
5

OBNは流通EDIなどを支援する企業専用IP網として1999年9月から商用提供されており、IP-VPN網構造の、情報安全性を重視する管理IP網である。OBNが使われている電子マネー決済、クレジッドカード決済、ASPサービスの通信枠組み例を報告する。
著者
山浦 一保 古川 久敬
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.63-73, 2008 (Released:2008-11-14)
参考文献数
35

本研究の目的は,医療の質向上に関する行動基準について,その理解と実行の程度がともに高く,かつこれら2つの間の乖離を抑制する要因を明らかにすることであった。ここでは,個人要因として職務遂行に対する自律性,職場環境要因として職場からの期待認知(安全期待と効率期待)を取り上げた。このことを検討するため,3つの病院に勤務する看護師を対象として質問紙調査を行った。その結果,医療の質向上の行動基準は4因子構造(看護計画,ルール遵守,情報交換,変革推進・改善)であり,それぞれの行動基準面に関する理解度は実行度よりも高い水準で評価された。看護師の自律性と職場からの安全期待は,概ね行動基準の実行度を高めることが明らかになった。また,職場からの効率期待は,予想に反して,医療の質向上のための活動を部分的に促進させる傾向が示された。考察では,安全確保と効率向上を別個のものとして捉えず,双方を関連づけるリーダーシップの必要性を指摘し,今後の課題を提示した。
著者
柳澤 さおり 古川 久敬
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.185-192, 2004 (Released:2004-04-16)
参考文献数
18

企業組織における人事考課に関わる研究では,評価目的が評価者の情報処理過程や評価に及ぼす影響について重視されてきた。しかし,そこで問題とされているのは評価目的の内容の差異が及ぼす影響であり,評価目的を与えること自体が及ぼす影響については言及されてこなかった。また,評価目的が,情報処理過程に及ぼす影響についても十分に検討されているとはいえない。本研究は,(a)評価目的を与えること,および評価目的を与える場合には(b)評価目的の内容が異なることが,被評価者の情報の記憶および評価に及ぼす影響について検討した。99名の被験者のうち,評価目的を提示した群には,昇給の査定(昇給査定群),もしくは再教育の必要性の査定(再教育査定群)のために,被評価者を評価することが教示された。評価目的が提示されない群(目的無し群)には,そのような目的が示されなかった。被験者は,被評価者の職務行動に関わる情報を読み,その後にその情報を再生し,被評価者に対する評価と好悪感情について評定した。評価目的が与えられた群は,目的無し群と比較して,多くの情報を再生していた。また,評価目的が与えられた群は,目的無し群よりも,評価と好悪感情が独立した評価を下していた。評価目的が与えられた昇給査定群と再教育査定群の間では,再生した情報および評価と好悪感情との関連に差異はみられなかった
著者
古川 久雄
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.346-421, 1997-12-31 (Released:2018-01-31)
被引用文献数
1

Most minor ethnic groups of Yunnan province have retained their traditional life styles and value systems, which are considerably different from those of the unity-oriented Han civilization, and greatly different from the logic of modern civilization. They live in separate villages under different ecosystems, engage in different forms of livelihood, and maintain their own languages by which they communicate within each domain under different cultural framework.  Their logic may be identified as pertaining to the logic of natural world. Spontaneous systems of the natural world never tend to large-scale unity. Biological creatures, for example, tend to evolve toward diversification: distinct habits, different foods, different structures of the individual body and of society. The evolution of the biological domain lies in the achievement of a higher degree of diversification.  This paper aims to elucidate the situation in which this logic survives among the minor ethnic groups of Yunnan, in spite of the earnest efforts to assimilate them by the Han civilization. The most powerful ecological barrier against the Han assimilation is the climate and the related endemic diseases, particularly malaria and other febrile diseases.  This paper also argues the viewpoint that the pre-modern history of adjacent Asian countries is connected with the pulsation of the Chinese Empire through the migration of the minor ethnic groups via Yunnan, who sought the safety and independence through trans-border migration.
著者
池田 浩 古川 久敬
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.86.14317, (Released:2015-03-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

This study examined the interactive effect of management by group goals and job interdependence on employee’s activities in terms of task and contextual performance. A survey was conducted among 140 Japanese employees. Results indicated that management by group goals was related only to contextual performance. Job interdependence, however, had a direct effect on both task and contextual performance. Moreover, moderated regression analyses revealed that for work groups requiring higher interdependence among employees, management by group goals had a positive relation to contextual performance but not to task performance. When interdependence was not necessarily required, however, management by group goals had no relation to contextual performance and even negatively impacted task performance, respectively. These results show that management by group goals affects task and contextual performance, and that this effect is moderated by job interdependence. This provides a theoretical extension as well as a practical application to the setting and management of group goals.
著者
古川 久敬
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.47-58, 2018-12-20 (Released:2019-02-12)
参考文献数
43

有力とされてきた知見や議論に,発想を縛りつけられていることはないのか? 組織が抱えているパラドックスの観点から,組織,集団,個人を見つめ直してみると,重要でありながら,看過されている組織行動のダイナミックスと原理が洞察できる.本稿では,モチベーション,リーダーシップと集団活動,そして創造性とイノベーションの3つの領域に絞り,パラドックスを意識化することで,従前の見解や論理をとらえ直し,再考を迫っている新たな研究も随時引用しながら,組織行動研究の新たな展開可能性について論じる.
著者
古川 久夫 宮口 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.517, pp.25-30, 2008-02-27

1999年開始の企業専用IP網(OBN)は、スイカやパスモ、エディ、その他の電子マネーやクレジッドカード決済用のエクストラネットとして用いられている。本文はOBNがこれらのアプリケーションをどのよう支援しているかを述べ、次に、OBNを次世代ネットワークへ融合する方法を論ずる。
著者
古川 久夫 宮口 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.261, pp.75-80, 2007-10-11
被引用文献数
3

固定IP網、移動IP網を将来統合可能としておくために現時点で何をすべきかを検討しており、本報告では、統合IP網の基本的構造及び統合IP網内に設置する終端装置の機能を論ずる。終端装置の機能は、IPカプセル化及び逆IPカプセル化、IPフロー分離機能、優先制御及びポートフィルタルタを含む。
著者
池田 浩 古川 久敬
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.69-75, 2015
被引用文献数
1

This study examined the interactive effect of management by group goals and job interdependence on employee's activities in terms of task and contextual performance. A survey was conducted among 140 Japanese employees. Results indicated that management by group goals was related only to contextual performance. Job interdependence, however, had a direct effect on both task and contextual performance. Moreover, moderated regression analyses revealed that for work groups requiring higher interdependence among employees, management by group goals had a positive relation to contextual performance but not to task performance. When interdependence was not necessarily required, however, management by group goals had no relation to contextual performance and even negatively impacted task performance, respectively. These results show that management by group goals affects task and contextual performance, and that this effect is moderated by job interdependence. This provides a theoretical extension as well as a practical application to the setting and management of group goals.
著者
古川 久夫 宮口 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.222, pp.15-22, 1999-07-23
被引用文献数
7

ビジネス専用IPネットワーク(OBN: Open Business Network)は、複数の通信会社により運用されるIP転送網である。本文は、OBNの基本概念(IN98-12、1998.4)の発表以降の変更点、ネットワーク構成要素名の変更、課金や帯域保証、OBNの住所管理等について報告する。
著者
高谷 好一 マツラダ Mattulada 深沢 秀夫 田中 耕司 古川 久雄 前田 成文
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

本研究計画は、これまで実施した科学研究費による海外学術調査、「熱帯島嶼域における人の移動に関わる環境形成過程の研究」(昭和55ー59年度)および「マレ-型農耕文化の系譜ー内発的展開と外文明からの変容」(昭和61ー63年度)、の研究成果を統合・総括するために計画されたものである。上記の調査によって、東南アジア島嶼部、スリランカ、南インド、マダガスカルなどのインド洋をとりまく諸地域が古くからの東西交流・民族移動によって共通の農耕文化要素をもつことが明らかになってきた。本計画は、上記二つの調査をとりまとめ、東南アジア、インド、マダガスカルにわたる、いわば「環インド洋農耕文化」ともよべる、この地域に共通の農耕文化の性格を明らかにし、海域世界の人の移動と農耕文化展開との関係を総合的に解明しようとして計画された。研究計画は、若干の補足調査を必要とするスリランカ、南インドへの分担者1名の派遣と、これまでの国外の共同研究者を招へいしての研究集会の開催、および調査成果の刊行の準備作業からなる。まず、補足調査については、分担者田中が10月21日から11月12日の派遣期間のうち前半はスリランカ、後半は南インドに滞在して調査を行い、スリランカでは分担者のジャヤワルデナが調査に参加した。スリランカでは、南西部ウェットゾ-ンの水田稲作における水稲耕作法について精査し、とくにマレ-稲作と共通する水牛踏耕や湿田散播法の分布と作業の由来などについて聴取調査を行った。また、稲品種の類縁関係からマレ-稲作との関連をさぐるための資料として、在来稲の採集・収集を行った。南インドの調査は、タミ-ルナドゥ、ケララの2州を中心にスリランカと同様の調査を実施するとともに、インジ洋交易の中継点となったカリカット、ゴアなどの港市都市を観察した。国外の分担者マツラダおよびジャヤワルデナをそれぞれ約1週間招へいし、分担者との共同研究とりまとめの打ち合せを行うとともに、平成2年1月19日と20日の2日間にわたり研究集会を開催した。研究集会では、各分担者が以下の研究報告を行い、各報告の検討と共同研究成果のとりまとめについて協議された。高谷:環インド洋をめぐる自然環境と人の移動史前田:マダガスカルとマレ-の農耕儀礼古川:環インド洋におけるアフリカ農耕とマレ-農耕田中:環インド洋に共通する稲作技術とその分布深沢:マダガスカル、ツィミヘティ族の村落、農業と牧畜マツダラ:東南アジア島嶼部の漂海民バジョウとその生業ジャヤワルデナ:スリランカ・マレ-の移住、その歴史と現在調査成果の刊行については、上記の研究報告を各分担者の責任において関連の学術雑誌に報告することが研究集会で確認された。また、研究成果を単行本として出版することが計画され、その第一段階として分担者古川が東南アジア島嶼部の低湿地に関するモノグラフをとりまとめた。これは平成2年秋に出版の予定である。