著者
平松 範子 山本 直樹
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.106-110, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
11

目的:細胞を用いた水晶体再生の基礎検討として, 不死化ヒト水晶体上皮細胞(iHLEC)による三次元水晶体再構築モデルの作製を試みた.方法:iHLECを用いて静置培養した細胞凝集体(静置培養モデル)と静置培養後に回転培養を組み合わせて培養した細胞凝集体(静置・回転培養モデル)のセルブロックから切片標本を作製し, ヘマトキシリン・エオジン染色(H.E.染色), αA-crystalline, βB2-crystalline, type-IV collagen, GAPDHの免疫染色を実施した.結果・結論:静置・回転培養モデルは静置培養モデルに比べて細胞凝集体内部の崩れが軽度で, 細胞密度が高い状態が維持されていた.また, 免疫染色ではαA-crystalline, βB2-crystalline, type-IV collagen, GAPDHも強く発現しており, 回転培養を取り入れることで, より細胞のviabilityが高いモデルを作製することができた.
著者
宮田 佳樹
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.7-12, 2017 (Released:2017-07-03)
参考文献数
10

水晶体の前極部から赤道部に至る水晶体囊の内側に単層で並ぶ水晶体上皮細胞は,活発なエネルギー代謝を営み, 水晶体の透明性維持に役立っている.しかしながら,水晶体上皮細胞の異常増殖や蛋白質分解酵素であるマトリックス メタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase:MMP)の産生亢進といった正常機能からの逸脱は,副病型の一つで ある前囊下白内障や白内障術後の合併症である後囊混濁といった線維性白内障の発症に密接に関与することが知られて いる.本研究では,水晶体上皮細胞の細胞増殖や MMP 産生に対する抑制効果を機序とする新たな抗白内障薬リードを 探索するため,天然由来ポリメトキシフラボン類のノビレチンと有機合成によって得られた新規フラボン誘導体の効果 について検討した.
著者
永本 敏之
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.49-51, 2014 (Released:2014-11-14)
参考文献数
21