著者
大沼 克彦 久米 正吾 濱田 英作 岡田 保良 宮田 佳樹 川又 正智 佐藤 宏之 早川 裕弌
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

4年にわたるキルギス現地調査と国内関連研究は、キルギスにおける紀元前12000年から1500年(中石器時代から後期青銅器時代)にかけた遊牧社会形成の実体の解明に向けて大きく前進した。発掘をおこなったすべての遺跡において、中石器層から青銅器時代層のあいだには1万年ほどの空白があり、連続性がないことは、中央アジアの遊牧社会の形成に関する、西方からの遊牧民移住、在地農牧民の専従遊牧民化という2つのシナリオのうちの前者がより妥当であることを提起する重要な成果である。今後は調査・研究をキルギス周辺地域に拡大し、中央アジア全体という巨視的観点で遊牧社会形成の経緯と地理的多様性を探求していく。
著者
遠部 慎 宮田 佳樹 小林 謙一 松崎 浩之 田嶋 正憲
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.339-364, 2007-03-30

岡山県岡山市(旧灘崎町)に所在する彦崎貝塚は,縄文時代早期から晩期まで各時期にわたる遺物が出土している。特に遺跡の西側に位置する9トレンチ,東側に位置する14トレンチは調査当初から重層的に遺物が出土し,重要な地点として注目を集めていた。彦崎貝塚では土器に付着した炭化物が極めて少ないが,多量の炭化材が発掘調査で回収されていた。そこで,炭化材を中心とする年代測定を実施し,炭化材と各層の遺物との対応関係を検討した。層の堆積過程については概ね整合的な結果を得たが,大きく年代値がはずれた試料が存在した。それらについての詳細な分析を行い,基礎情報の整理を行った。特に,異常値を示した試料については,再測定や樹種などの同定を行った。結果,異常値を示した試料の多くは,サンプリング時に問題がある場合が多いことが明らかになった。特に水洗サンプルに顕著で,混入の主な原因物質は現代のものと,上層の両者が考えられる。また,混入した微細なサンプルについても,樹種同定の結果,選別が可能と考えられた。これらの検討の結果,明らかな混入サンプルは,追試実験と,考古学的層位などから,除くことが出来た。また,9トレンチと14トレンチと2つのトレンチでは堆積速度に極端な差が存在するものの,相対的な層の推移は概ね彦崎Z1式層→彦崎Z2式層→中期層→彦崎K2式層→晩期ハイガイ層となることがわかった。今後,本遺跡でみられたコンタミネーションの出現率などに留意しつつ,年代測定試料を選別していく必要がある。そういった意味で本遺跡の事例は,サンプリングを考えるうえでの重要なモデルケースとなろう。
著者
上條 信彦 宇田津 徹朗 高瀬 克範 田中 克典 米田 穣 宮田 佳樹 田崎 博之
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、環境激変に脆弱な北日本に導入されたイネの自然環境に対する適応過程および文化的な選抜過程を品種と栽培・加工技術の観点から生物学的・考古学的に解明することを目的とする。具体的には、出土イネ品種に関する本研究独自の分析技術を駆使して炭化米の形態・DNA分析、脂質・炭素窒素同位体分析、および本州最北端における水稲農耕開始期の遺跡発掘調査を通じて、これまで不明確であった本州最北端の水稲導入後の文化変容を探るとともに、品種の歴史的展開と、耕起や施肥、調理などの技術的革新の時期や内容を明らかにし、日本列島の稲作展開モデルの構築を目指す。
著者
宮田 佳樹 吉田 邦夫 中村 俊夫 南 雅代 堀内 晶子 久保 謙哉 北野 博司 上條 信彦 遠部 慎 村本 周三 リチャード エバーシェッド
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

①土器付着炭化物の炭素年代測定や安定同位体分析による食性解析法,②土器残存有機物組成や分解生成物を同定するバイオマーカー分析,③土器から抽出した炭素数16,18の直鎖状飽和脂肪酸の炭素同位体比を現生生物と直接比較することにより,起源物質を推定する手法,これら三つの手法(①,②,③)を法補的に組み合わせることにより,土器付着炭化物と土器胎土吸着物を用いて,土器で調理された食材を復元することができた。つまり,新しい縄文土器を用いた古食性研究手法を確立した。
著者
宮田 佳樹
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.7-12, 2017 (Released:2017-07-03)
参考文献数
10

水晶体の前極部から赤道部に至る水晶体囊の内側に単層で並ぶ水晶体上皮細胞は,活発なエネルギー代謝を営み, 水晶体の透明性維持に役立っている.しかしながら,水晶体上皮細胞の異常増殖や蛋白質分解酵素であるマトリックス メタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase:MMP)の産生亢進といった正常機能からの逸脱は,副病型の一つで ある前囊下白内障や白内障術後の合併症である後囊混濁といった線維性白内障の発症に密接に関与することが知られて いる.本研究では,水晶体上皮細胞の細胞増殖や MMP 産生に対する抑制効果を機序とする新たな抗白内障薬リードを 探索するため,天然由来ポリメトキシフラボン類のノビレチンと有機合成によって得られた新規フラボン誘導体の効果 について検討した.
著者
遠部 慎 宮田 佳樹 小林 謙一 松崎 浩之 田嶋 正憲
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.339-364, 2007-03

岡山県岡山市(旧灘崎町)に所在する彦崎貝塚は,縄文時代早期から晩期まで各時期にわたる遺物が出土している。特に遺跡の西側に位置する9トレンチ,東側に位置する14トレンチは調査当初から重層的に遺物が出土し,重要な地点として注目を集めていた。彦崎貝塚では土器に付着した炭化物が極めて少ないが,多量の炭化材が発掘調査で回収されていた。そこで,炭化材を中心とする年代測定を実施し,炭化材と各層の遺物との対応関係を検討した。層の堆積過程については概ね整合的な結果を得たが,大きく年代値がはずれた試料が存在した。それらについての詳細な分析を行い,基礎情報の整理を行った。特に,異常値を示した試料については,再測定や樹種などの同定を行った。結果,異常値を示した試料の多くは,サンプリング時に問題がある場合が多いことが明らかになった。特に水洗サンプルに顕著で,混入の主な原因物質は現代のものと,上層の両者が考えられる。また,混入した微細なサンプルについても,樹種同定の結果,選別が可能と考えられた。これらの検討の結果,明らかな混入サンプルは,追試実験と,考古学的層位などから,除くことが出来た。また,9トレンチと14トレンチと2つのトレンチでは堆積速度に極端な差が存在するものの,相対的な層の推移は概ね彦崎Z1式層→彦崎Z2式層→中期層→彦崎K2式層→晩期ハイガイ層となることがわかった。今後,本遺跡でみられたコンタミネーションの出現率などに留意しつつ,年代測定試料を選別していく必要がある。そういった意味で本遺跡の事例は,サンプリングを考えるうえでの重要なモデルケースとなろう。Relics from all of the periods from Earliest Jomon through to Latest Jomon have been excavated from the Hikosaki shell midden situated in Okayama City (formerly Nadasaki-cho) in Okayama Prefecture. Multiple layers of relics were excavated at the start of the survey from trench 9 located on the western side of the site and trench 14 on the eastern side of the site, which drew attention to these locations as important spots. Although extremely few pieces of carbonized material adhering to pottery were found in the Hikosaki shell midden, large quantities of carbonized wood were recovered from excavation. We undertook dating mainly of the carbonized wood and investigated the corresponding relationships between the pieces of carbonized wood and relics from each of the layers. Although the results were largely consistent in terms of the sedimentation process of the layers, there were some samples whose dates deviated considerably. We made a detailed study of these samples and sorted basic information. We repeated measurements and identified the tree types of those samples that gave abnormal readings.The results revealed that for many of the samples that yielded abnormal values there were problems at the time of sampling. This was particularly pronounced for samples that were washed in water. It is conceivable that the substances that caused this contamination were both present-day substances and the top layer. Identification of the types of wood of very small contaminated samples also showed that screening is a possible cause of this contamination. As a result of such investigations, we were able to eliminate samples that were clearly contaminated from additional testing and the archaeological succession of strata. Although there was an extreme difference in the sedimentation rates for trench 9 and trench 14, we found that the pattern of relative layer development was mainly : Hikosaki Z 1-type layer -> Hikosaki Z 2-type layer -> Middle Jomon layer -> Hikosaki K 2-type layer -> Latest Jomon Haigai layer.In the future, it will be necessary to screen samples for dating while keeping in mind the contamination rates seen at this site. In this sense, the case of the Hikosaki site will become an important model with respect to sampling.
著者
小林 謙一 坂本 稔 松崎 浩之 宮田 佳樹 坂本 稔 松崎 浩之 宮田 佳樹 遠部 慎
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

縄紋時代の居住期間、特に竪穴住居の構築・使用・廃絶の時間経過を研究する目的で福島県井出上ノ原遺跡、神奈川県相模原市大日野原遺跡の縄文時代中期集落発掘調査を行い、データをとりながら年代測定用炭化種実・炭化材・土器付着物を採取し、年代測定を両遺跡あわせて約60測定行った。他に、日本先史時代の火災住居、重複住居や盛土遺構などの年代を測定し、縄紋集落の形成期間や形成過程を明らかにした。