- 著者
-
榎木 光治
宮田 一司
森 英夫
- 出版者
- 公益社団法人 日本冷凍空調学会
- 雑誌
- 日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.3, pp.275-283, 2015-09-30 (Released:2016-09-30)
- 参考文献数
- 23
著者らは,先に,微細円形流路内の沸騰熱伝達率について,強制対流蒸発と核沸騰の寄与に加え,新たに微細流路に特有の液膜熱伝導蒸発の寄与を考慮した精度の高い整理式を提案した.液膜熱伝導蒸発は,主にスラグ流における気体プラグ周囲の薄液膜を通した熱伝導による蒸発熱伝達である.しかしながら,近年広く用いられる比較的高圧の冷媒に対して整理式で用いた核沸騰整理式の予測精度が良くないこと,また,最近得た水平流の低流量のデータに対して整理式の予測精度が低いことが明らかになった.本研究では,この2 点について以前に提案した整理式を修正し,予測精度の改善を行った.新たに得られた整理式は,著者らのR 410A のデータのみならず,他研究者によるR 32,R 1234yf およびH2O やCO2 を含む広範囲のデータに対して,水平流の低流量の条件を含め,高い予測精度を示した.