著者
髙梨 泰彦
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 自然科学系列 (ISSN:13483323)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.171-184, 2018-03

本研究の目的は,バレーボールにおけるスパイク跳躍高を増大させるための助走条件を明らかにすることである。助走の歩数,歩幅,跳躍時における腕の振込み動作の3要因について,それぞれ条件を変化させ,跳躍高を調べる実験を実施した。被験者はC大学に所属する大学男子バレーボール選手17名であった。本研究の結果以下のことが明らかになった。 ① 跳躍高を大きくするためには助走歩数は3歩が有効であり,歩数を少なくすると跳躍高は低下する。 ② 助走の歩幅は身長の100%程度の時に最も跳躍高が大きくなった。以下75%歩幅,50%歩幅であり,歩幅が小さくなると跳躍高が低下する傾向にあった。 ③ 腕の振込み動作によって跳躍高は増大することが明らかとなった。特にバックスイング動作が重要で,バックスイング動作を伴った腕振り動作のときに最も跳躍高が大きくなった。
著者
濱地 賢太郎
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 自然科学系列 (ISSN:13483323)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.49-68, 2009-03

Diracによって与えられた,特異ラグランジアンから導かれるオイラー・ラグランジュ方程式に対応するハミルトン形式を構成する処方の問題点を幾つか挙げ,その解決策としてその構成法の改良を与えた.またここで与える手法によって,これまでオイラー・ラグランジュ方程式とハミルトン形式の同値性に関する問題を,明快な形で論じることができるようになり,特に,オイラー・ラグランジュ方程式の解を再現するハミルトン系の構成法を与えた.
著者
梶浦 大吾 酒井 啓太 原 哲也
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 自然科学系列 (ISSN:13483323)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.230-247, 2005-03

スカラー場の非最小結合はBrans-Dicke(B-D)理論[1]として知られており,アインシュタインの一般相対性理論の拡張の一つとして,その理論的意味が論じられている.ここでは,スカラー場に加えてベクトル場も非最小結合をしている場合,どのような効果が期待できるかを調べた.簡潔なモデルの下でのベクトル場を導入し,ラグランジアン密度から計量,ベクトル,スカラーを変分して0にして各々方程式を導いた.ベクトル場を導入しても,等価原理は成立しており,粒子の測地線の式は変更されない事が分かった.また弱い近似でベクトル場の効果を調べたが,スカラー場とほぼ同じ形で効果が期待される.
著者
淡路 靖弘
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 自然科学系列 (ISSN:13483323)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.35-49, 2020-03-31

本研究はACL 再建術で採用されるBTB 法(Bone- Tendon-Bone : BTB) とSTG 法(Semitendinosus/Gracilis : STG)の術後の経過及びパフォーマンス差異を検証したものである。多くのアスリートは競技中に膝関節の安定をもたらすのに重要な役割を果たす前十字靭帯を断裂させている。前十字靭帯の断裂によりアスリートは再び競技復帰するのに6 ~ 12 か月もの時間をかけリハビリテーションに励んでいる。より早くアスリートを競技復帰させるために医師は2 つの術法を選択する。一つは膝蓋????を用いるBTB 法で,もう一つは半????様筋????及び薄筋を用いたSTG 法である。筆者は2 つの術法を経過と共に観察し????痛レベル,筋力,下肢周囲径,下肢パフォーマンスに有意な差異を明らかにした。