著者
森 悦子 尾形 壽子 八丁 雄子 澤村 恭子 青柳 征子 坂本 美代子 山本 嘉一郎
出版者
福岡医療福祉大学
雑誌
第一福祉大学紀要 (ISSN:13490613)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.151-164, 2005

健常かつ若年の成人女性には慢性的な便秘傾向者が多いとされる。本研究は、ヨーグルトの摂取が若年の成人女性の排便頻度の改善効果をもたらすか否かについて検討した。被験者として九州4県の663人の健康な若年女性を対象に、疫学的実験デザインの並行法を用いて、排便頻度に偏りのない2群に分け、一方の群(負荷群)に市販ヨーグルトを1日270g(1個90gのものを1日3回)連続して10日間与えた。他群にはその期間中、発酵乳製品の摂取を禁じた(対照群)。負荷試験前後に排便状況に関するアンケート調査を実施した。負荷群は対照群と比較して、排便頻度および排便の感覚評価において有意な改善がみられた。以上の結果から、本実験で用いた程度のヨーグルトの摂取が便秘状況の改善に効果があるものと結論された。さらに、ヨーグルト負荷試験中に、排便状況に影響する可能性のある生活習慣因子(欠食の有無、間食・夜食の有無、食事時間の規則性など)において、負荷群と対照群の間に有意差はなかった。
著者
徳永 幹雄
出版者
福岡医療福祉大学
雑誌
第一福祉大学紀要 (ISSN:13490613)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.65-78, 2005

福岡県立スポーツ科学情報センターのスポーツ医事・健康体力相談事業を受検したスポーツ選手で、「心理的競技能力診断検査」の測定結果が2回以上ある者、男子1,081名、女子458名を対象にして、心理的競技能力の変化からスポーツ継続の心理的効果を考察し、次のような結果を得た。1.心理的競技能力の性差をみると、男子は女子に比較して忍耐力、闘争心、自己コントロール、リラックス、自信、決断力、予測力、判断力で優れ、女子は自己実現意欲で優れていた。特に自信、決断力、予測力、判断力で顕著な性差がみられた。2.性別に初回と最終回の変化をみると、男女とも優れた結果に変化し、特に、男女とも予測力、判断力、自信、決断力で顕著な変化がみられた。3.測定間隔の違いによる変化の違いは、以下のとおりである。(1)対象者全体では半年以内の測定間隔では顕著な変化はみられず、半年以上の測定間隔では顕著な変化を示し、男女とも予測力、判断力、自信、自己実現意欲で顕著な変化がみられた。(2)高校生だけを対象とすると、対象者全体と同様に、半年以内の測定間隔では顕著な変化はみられず、半年以上の測定間隔から顕著な変化がみられた。特に、予測力、判断力、自信、自己実現意欲で顕著な変化がみられた。(3)高校生の競技種目ごとでは、陸上競技では男女とも自己実現意欲、野球とサッカー・ラグビーでは自信、決断力、予測力、判断力、水泳競技では判断力、自信、バレーボール・バスケットボールでは男子は闘争心、忍耐力、女子は予測力、判断力の変化がみられ、経験するスポーツ種目によって何らかの違いがあるのではないかと推測された。(4)競技レベル別では、他の分析と同様に半年以内の測定間隔では顕著な変化はみられなかった。国際・全国レベルでは対象数が少なかったが、共通傾向として自己実現意欲の変化がみられた。九州・県レベルでは自信、予測力、判断力、自己実現意欲、協調性で、地区・市町村レベルでは自信、決断力、予測力、判断力で顕著な変化がみられた。4.これらの分析から、スポーツの継続の影響は自信、決断力、予測力、判断力に顕著な影響を与えることが推測された。
著者
宮原 英種 宮原 和子
出版者
福岡医療福祉大学
雑誌
第一福祉大学紀要 (ISSN:13490613)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.145-156, 2004
著者
岩崎 健一 徳永 幹雄 山崎 先也
出版者
福岡医療福祉大学
雑誌
第一福祉大学紀要 (ISSN:13490613)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-12, 2004
被引用文献数
1

学生の精神的健康度の実態を把握するために、橋本らが作成した精神的健康パターン診断検査(MHP-1)を用いてD大学学生に調査し検討を加えた。結果を要約すると下記のとおりである。1.D大学男子学生は対照群男子学生と比べて、ストレス度の低い「はつらつ型」と「ゆうゆう型」が少なく、ストレス度の高い「ふうふう型」と「へとへと型」が多く、両群の間には有意差が認められた。2.D大学女子学生は対照群女子学生と比べて、ストレス度の低い「はつらつ型」と「ゆうゆう型」が少なく、ストレス度の高い「ふうふう型」と「へとへと型」が多く、両群間には有意差が認められた。3.尺度別に見ると、D大学男子学生は、男子対照群(1)(2)と比べて、心理的にも社会的にも身体的にもよりストレスフルな生活を送っている者が多く、対照群(2)の「対人回避」を除きストレスに関係する他の全ての尺度で有意に高い値を示した。しかし、生きがい度に関しては、対照群(1)との間では有意な差はなく、また、対照群(2)との間では「生活意欲」と「QOL尺度」でむしろ有意に高い値にあり、意欲的で張りのある生活をしている者が多い傾向にある。4.尺度別にD大学女子学生をみると、女子対照群(1)(2)と比べて、ストレスに関係するすべての尺度で有意に高い値を示し、D大学女子学生は心理的にも社会的にも身体的にもストレスフルな生活を送っている者が多い。生きがい度に関しても、対照群(1)とは「生活の満足感」と「QOL尺度」で、また対照群(2)とは「生活の満足感」で有意に低い値を示しており、D大学女子学生は生活に満足感を感じていない者が多い。5.精神的健康パターンに男女間の有意差はみられなかった。しかし、尺度別に見ると「身体的ストレス」とその下位尺度の「疲労」で、また、QOLではその下位尺度の「生活意欲」で両者間に有意差がみられ、男子学生の方が女子学生より、「身体的ストレス」が低く、「生活意欲」の高い張りのある生活を送っている者が多い。6.男子学生については、運動頻度の高いMonthly運動者とWeekly運動者が、運動頻度の低いStay運動者より、「心理的ストレス」や「身体的ストレス」が低く、また、「はつらつ型」が多く「へとへと型」が少ない傾向にあり、運動頻度が精神的健康度の改善に影響を与えている可能性が推察される。
著者
森 悦子 柴田 周二
出版者
福岡医療福祉大学
雑誌
第一福祉大学紀要 (ISSN:13490613)
巻号頁・発行日
no.4, pp.175-189, 2007

In Japan where we enjoy the world highest longevity, it is expected to train excellent care workers who support self-sufficient living of impaired people in need. In order to enhance the ability to support self-sufficient living, the care worker training program requires a survey of home economics and home economics practice, but it has not been practiced effectively enough in the field yet. It is necessary for home economics to take advantage of its characteristics the specialization and due integration of each field of home economics, and reestablish home economics of the new age so that it will contribute to the supporting self-sufficient living in the IT progressed 21st century. In purpose of realizing the motto of Science Council of Japan, "The true science is in the integration of science and technology", I examined high school teaching guidance of science and applied it in home economics. By taking a hint from NHK's life science program "tameshite gatten", I have studied how the home economics should be developed and contribute in the future to the supporting self-sufficient living in the new scientific system. If new research materials are selected out of reliable information and sublimated into a new academic system, home economics will contribute to the welfare of families and communities as well as to support environmental conservation, moreover, the home economics will be able to fulfill its social responsibility as a life support study of the 21st century.