著者
村田 伸 甲斐 義浩 田中 真一 溝田 勝彦 山崎 先也
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.341-344, 2007 (Released:2007-08-18)
参考文献数
12
被引用文献数
8 3

本研究の目的は,健常成人男性15名(左右30肢)と地域在住高齢者男性21名(左右42肢)を対象に,足把持力や足把持力の最大値到達時間などを測定し,その測定値を比較することによって足把持機能の加齢による影響について検討することである。その結果,高齢者の足把持力は健常成人の48.3%,最大値到達時間は214.3%であり,握力は71.2%であった。これらの成績から,足把持力や最大値到達時間などの足把持機能は,握力に比べ加齢の影響を受けやすいことが示唆された。また,高齢者の転倒との関連性が指摘されている足把持力のみならず,最大値到達時間を加味した足把持機能が転倒を引き起こす可能性について,科学的に探究する意義と重要性が示唆された。
著者
國本 あゆみ 菊永 茂司 岡崎 勘造 天野 勝弘 佐川 和則 新宅 幸憲 積山 敬経 井上 裕美子 成山 公一 山崎 先也 岡本 啓 石井 信子 田子 孝仁 土岡 大介 福田 隆 林 恭輔 小倉 俊郎 東條 光彦 三村 由香里 松枝 睦美 上村 弘子 津島 愛子 加賀 勝 酒向 治子 土井 真由 鈴木 久雄
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.74-84, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
35

目的:本研究は大学生男女個々および交互,相互におけるBMIと体型不満の関連について検討することを目的とした.方法:対象は全国14大学に在籍する18-22歳の男性学生4,118名,女性学生2,677名であり,体組成測定およびボディーイメージに関する質問紙調査を用いた横断研究を行った.体組成は健康診断の結果もしくは実測した.結果:対象の平均(SD)BMIは男性21.7(3.3)kg/m2,女性は20.9(2.7)kg/m2であった.BMIが18.5未満の者の割合は男性11.1%,女性14.6%であり,BMIが18.5-24.9の範囲の者の割合は男性76.1%,女性78.9%であった.BMIに対する理想不満度(理想のシルエット-現在のシルエット)と健康不満度(健康的なシルエット-現在のシルエット)の間に男性は交互作用が認められなかったけれども,女性では有意な差が認められた(p<0.001).魅力的な男性のシルエット値は,男女間に有意な差はみられなかった(t=1.231,p=0.218,d=0.04).一方,男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均4.65,女性が思う男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均3.97であり,女性は男性に比べ有意に低い値を示した(t=25.08,p<0.001,d=0.70).結論:女性大学生の考える健康的な体型は理想体型より太い体型であった.魅力的な男性のシルエットは男女間に差がみられなかった.しかしながら,魅力的な女性のシルエットは男性より女性においてより細い体型と考えていることが示唆された.
著者
山崎 先也 岡本 啓 松久 ミユキ 野原 隆司 田口 貞善
出版者
日本運動生理学会
雑誌
日本運動生理学雑誌 (ISSN:13403036)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.99-105, 2001-10-31

The purpose of this study was to compare the bone turnover between eleven young female rhythmic sports gymnasts(aged 19-21 yr.)and nine sedentary control female subject(aged 21-22 yr.). The gymnasts were training 4-6 hours per day, 7 times per week with dieting. Bone turnover was assesed using speciific biomarkers of formation(serum intact osteocalcin)and resorption(the 24 hours urinary deoxypyridinoline). The gymnasts had significantly lower percent fat and body weights than the control females. The gymnasts showed significantly lower levels of serum calcium but slightly higher urinary calcium concentrations compared with the controls. The gymnasts had significantly higher bone resorption and lower bone formation compared with the control females. The findings suggest that an increased bone resorption in the female rhythmic sports gymnasts may cause loss of bone mass which was probably due to the vigorous exercise training under dieting regimes.
著者
岩崎 健一 徳永 幹雄 山崎 先也
出版者
福岡医療福祉大学
雑誌
第一福祉大学紀要 (ISSN:13490613)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-12, 2004
被引用文献数
1

学生の精神的健康度の実態を把握するために、橋本らが作成した精神的健康パターン診断検査(MHP-1)を用いてD大学学生に調査し検討を加えた。結果を要約すると下記のとおりである。1.D大学男子学生は対照群男子学生と比べて、ストレス度の低い「はつらつ型」と「ゆうゆう型」が少なく、ストレス度の高い「ふうふう型」と「へとへと型」が多く、両群の間には有意差が認められた。2.D大学女子学生は対照群女子学生と比べて、ストレス度の低い「はつらつ型」と「ゆうゆう型」が少なく、ストレス度の高い「ふうふう型」と「へとへと型」が多く、両群間には有意差が認められた。3.尺度別に見ると、D大学男子学生は、男子対照群(1)(2)と比べて、心理的にも社会的にも身体的にもよりストレスフルな生活を送っている者が多く、対照群(2)の「対人回避」を除きストレスに関係する他の全ての尺度で有意に高い値を示した。しかし、生きがい度に関しては、対照群(1)との間では有意な差はなく、また、対照群(2)との間では「生活意欲」と「QOL尺度」でむしろ有意に高い値にあり、意欲的で張りのある生活をしている者が多い傾向にある。4.尺度別にD大学女子学生をみると、女子対照群(1)(2)と比べて、ストレスに関係するすべての尺度で有意に高い値を示し、D大学女子学生は心理的にも社会的にも身体的にもストレスフルな生活を送っている者が多い。生きがい度に関しても、対照群(1)とは「生活の満足感」と「QOL尺度」で、また対照群(2)とは「生活の満足感」で有意に低い値を示しており、D大学女子学生は生活に満足感を感じていない者が多い。5.精神的健康パターンに男女間の有意差はみられなかった。しかし、尺度別に見ると「身体的ストレス」とその下位尺度の「疲労」で、また、QOLではその下位尺度の「生活意欲」で両者間に有意差がみられ、男子学生の方が女子学生より、「身体的ストレス」が低く、「生活意欲」の高い張りのある生活を送っている者が多い。6.男子学生については、運動頻度の高いMonthly運動者とWeekly運動者が、運動頻度の低いStay運動者より、「心理的ストレス」や「身体的ストレス」が低く、また、「はつらつ型」が多く「へとへと型」が少ない傾向にあり、運動頻度が精神的健康度の改善に影響を与えている可能性が推察される。