著者
高橋 啓介
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
医療福祉研究 (ISSN:13497863)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.30-36, 2006
被引用文献数
6

The purpose of this study is to clarify the effects of relative color temperature and illuminace of room lighting upon the evaluation of residential living space. In this study, 10 kinds of residential living spaces were simulated and in each case, the relative color temperature (2800K, 5000K, and 6700K) and illuminace (200lx, 400lx, 800lx) of the room lighting were systematically manipulated. I analyzed how these two factors affected the evaluation of each residential living space. The analysis suggests that 1) the kind of room lighting preferred changed in accordance with the kind of residential space; 2) high relative color temperature and high illuminance were preferred in spaces used for cognitive activities; and 3) low relative color temperature and low illuminance were preferred in spaces for relaxation.
著者
諏訪 真美
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
医療福祉研究 (ISSN:13497863)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.78-84, 2005

青年の社会的ひきこもりは,さまざまな疾患がその背景となっている.そのうち統合失調症,気分障害,広汎性発達障害(アスペルガー障害),神経症,人格障害,一次性ひきこもりの鑑別を概説した.このなかで鑑別の困難な疾患の一つとして「アスペルガー障害」が挙げられる.アスペルガー障害のなかには幼児期・思春期に診断されないまま青年期になり,対人関係の困難さなどから就労が続かず,ひきこもるという形で事例化する場合がみられる.さらに診断の困難なものとしては,これまでの疾患分類では診断しきれない「一次性ひきこもり」が挙げられるが,これは現代日本の青年の新しい精神病理と考えられる.この2つの状態について,事例を交えて紹介しその精神病理および鑑別の要点・治療の差について解説した.
著者
諏訪 真美
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
医療福祉研究 (ISSN:13497863)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-29, 2006
被引用文献数
2

日本における「ひきこもり」は,青年期の精神保健的な問題であるが,その背景には,単に個人の精神病理的問題だけではなく,家族の問題,社会・経済・文化といった問題が関わっているものと思われる.この現象の背景に影響を与えている可能性のあるものとして,日本の経済的な発展,社会的な構造,家族関係,青年全般の心理構造について,その変遷を概観した.そしてひきこもりの病理に関して,本人の精神病理的傾向,家族関係の傾向とともに,日本の社会構造の問題との関係について考察を加えた.