著者
崔 光日
出版者
大東文化大学法科大学院法務学会
雑誌
大東ロージャーナル = Daito law journal (ISSN:18801242)
巻号頁・発行日
no.13, pp.69-82, 2017-03

中国法は、監督義務者責任について無過失責任を採用し、監督義務者の範囲・順序を明文化し、近親者だけではなく[単位]にも監督義務者責任を認めるなど、被害者の救済に有利な法構造になっている。その一方、監督義務者に無過失責任を課しながらまた無過失の場合の責任軽減、責任無能力者本人の財産からの賠償を認めるなど、被害者(救済)と監督義務者(合理的な責任負担)の利益考量が可能な法構造にもなっている。
著者
片山 克行
出版者
大東文化大学法科大学院法務学会
雑誌
大東ロージャーナル = Daito law journal (ISSN:18801242)
巻号頁・発行日
no.13, pp.9-22, 2017-03

身近な紛争解決手段として民事調停制度がある。この制度の特徴は、廉価で簡易・迅速に紛争の解決が図れる点にある。この民事調停制度の利用の活性化を図るには、制度のあり方を根本的に見直す必要がある。その一つとして、調停前置制度の民事調停における活用可能性を制度の全体から見直すことが大切である。
著者
永山 茂樹
出版者
大東文化大学法科大学院法務学会
雑誌
大東ロージャーナル = Daito law journal (ISSN:18801242)
巻号頁・発行日
no.14, pp.103-114, 2018-03

自民党「憲法改正草案」98条は緊急事態宣言発布・更新・国会の関与などの手続きを規定する。本稿では、そのうち1項で定めた内閣総理大臣および内閣による宣言の発布手続きに限定し、逐条的に解釈を行った。本項改憲により、日本の統治制度は、現行憲法の予定する議院内閣制から、首相に言々を集中させる統治制度へと、大きく変容するおそれがあることを明らかにした。