著者
樋口 進
出版者
学校法人 夙川学院 夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学教育実践研究紀要 (ISSN:18835996)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.13, pp.3-8, 2019 (Released:2019-10-04)
参考文献数
7

夙川学院に短期大学が設置されたのは、1965 (昭和40)年1月25日であり、同年4月20日に開学式を挙行して、教育が開始された。このとき、短大の教育理念は特には定められなかったが、戦後夙川学院が教育理念とした「キリスト教精神」は前提であったようである。しかし、礼拝とかキリスト教の授業科目を配置するということはなかった。ただ、入学式や卒業式が礼拝形式で行われ、またクリスマス行事などもあり、ここにわずかに「キリスト教精神」が生きていたと言うことができる。『九十年史』には、二代目学長の高木俊蔵の文として次のように記されている。「夙川学院は古くから宗教的情操教育を重視し、短大も創設以来この伝統を守ってきた1。」そして、短大の「教育理念」としては、1980 (昭和55)年に次のように定められた。すなわち、「愛と誠実」「清新な学識」「清楚にして優雅」である。これは、短期大学 教授の増谷くらの提案をもとにして専門委員会、教授会で検討したものということである2。『百年史』には、次のようにある3。「第一項では女性といわず、人間として基本的に求められる項目が述べられ、第二項では、教養豊かにして、専門とする学識に秀で、技能に熟達した女性が、社会の発展に寄与することを願い、短期大学が教授するものは、諸学•技術の基礎から、現代におけるその展開•応用に至ることを示唆している。そして学生が、自発的に研鑽し、探究心 を深めてくれるように願っているのである。第三項では、本学の学生が歴史と伝統に育まれた夙川学院の構成員としての自覚と誇りを持って、しかも学生らしく清楚であって、言動優雅であることを希求しているのである。」この中で、第一項の「愛と誠実」に関しては、夙川学院が戦後教育理念としたキリスト教思想を反映したものと思われる。イエス•キリストは、最も重要なこととして、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」ということと、「隣人を自分のように愛しなさい」ということを教えた(マタイによる福音書22:37-39、マルコによる福音書12:29-31)。また、イエス•キリストは、「正義、慈悲、誠実を最も重要なこととして行うべきだ」と教えている(マタイによる福音書23:23)。以下、聖書において「愛」と「誠実」がどのように言われているかについて検討したい。
著者
内田 直子
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学教育実践研究紀要 (ISSN:18835996)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.1, pp.26-30, 2009

被服造形実習における、高校までの経験の実態と、短期大学で学んだことに関する満足度や技術の理解度を調査し、短期大学での被服造形実習の基礎段階の学習のあり方と今後の方向性を検討した。調査方法は、1年次の履修者に質問紙法によるアンケート調査を学習初回の4月と1年次最終回の1月に実施した。その結果、中等教育では簡易な被服製作や手芸が多く、取り扱われた種類も多様であった。短期大学で1年間実習を学んだ学生の達成感、満足感、充実感はいずれも80~90%を示した。しかし、技術の理解については、すべて一人で完璧にわかっているとは言い難い。このことから、被服造形実習の基礎段階においては、高校までの基礎部分を導入しながら、常に理解のフィードバック、並行して課題製作過程の節目毎に達成感を味わえる仕組みが必要であると思われる。
著者
丹羽 正之
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学教育実践研究紀要 (ISSN:18835996)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.10, pp.39-45, 2017

漢字の学習では部品を意識することが重要である。そのために筆者は独自の漢字ゲームを作って、授業で実践している。その内容は昨年度の研究紀要(2015年度版)にまとめたが、その論文に目を留めたNHK Eテレの番組担当者から依頼があり、テレビ番組用に新しい漢字ゲームを作ることになった。新ゲームは、部品カードを組み合わせて漢字を作るという、,これまでとは逆方向のゲームで、放送は好評であった。そのゲームを、さらに改良して,教室での授業で使えるように、マグネット式の部品カードによる漢字ゲームも考案した。ここでは放送された新ゲームと、それを教室用に改良したゲームを紹介し、部品カードの全データも示すこととする。