著者
中山 秀紀 樋口 進
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-16, 2020 (Released:2020-09-24)
参考文献数
41

近年インターネットやゲームの依存的使用が重大な問題になっている.特にゲームの問題使用に関しては,インターネットゲーム障害(IGD)や,ゲーム障害(症)として,DSM-5やICD-11の中の診断基準に盛り込まれるようになった.そして思春期世代のIGDが疑われる人は1.2–5.9%の間と推計されている.インターネットやゲームの依存的使用は,注意欠如多動性症や精神症状の悪化,睡眠問題との関連が指摘されている.治療として,認知行動療法などの心理・精神療法や,合併精神疾患(発達障害)に対する治療,また心理療法やアクティビティなどを組み合わせた治療キャンプなども試みられている.特に発達障害やその傾向にある人ではリスクが増大するようであり,保護者等への啓発や療育の役割は大きいと考えられる.子どもたちの健全な育成のために,多くの関係諸機関が連携して予防的,治療的取り組みが進められることが望まれる.
著者
樋口 進 Susumu Higuchi
雑誌
神学研究 (ISSN:05598478)
巻号頁・発行日
no.23, pp.1-28, 1975-02-25
著者
高田 光康 樋口 進 中野 武
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.245, 2010 (Released:2010-11-07)

残留性有機汚染物質として注目されている有機フッ素化合物類の浸出水処理工程における除去特性について調査した。これら物質は、生物処理及び凝集沈殿処理工程では除去されず、活性炭吸着処理工程で良く除去されていることがわかった。活性炭による有機フッ素化合物類の除去能は、CODの除去能を上回っており、特に新炭及び入替直後の再生炭では高い除去率であった。
著者
舘内 由枝 島田 隆美子 浦野 洋子 佐藤 エイ子 永塚 智恵 角田 美智子 関根 智子 松坂 利之 樋口 進
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.211-215, 2004-04-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
17

精神疾患患者における, 園芸を用いた作業療法の心理的効果を検討するため, 当院精神科開放病棟入院患者および精神科デイケア通院患者を対象に, 園芸を用いた作業療法前後に感情プロフィール検査(POMS)およびバイタルサイン(血圧, 脈拍)の測定を行った. 一般健康者のPOMS各尺度得点が50点前後を示すのに対し, 患者ではネガティブな感情を表わす5尺度が高く, これらとは負の相関を示す活気の尺度が低いといった谷型のパターンを示した. 園芸を用いた作業療法前後のPOMS得点を疾患別に分類した結果, 統合失調症患者では変化がほとんど見られなかったのに対して, それ以外の患者では, 園芸を用いた作業療法後にネガティブな感情の低下と活気の上昇が見られた. これらの結果から, 1) 精神疾患患者はPOMSにおいて特徴的なパターンを示すこと, 2) 園芸を用いた作業療法は統合失調症以外の患者に短期的な感情・気分の改善傾向をもたらすことなどが示唆された. 今後, より大きな集団での追試と, 繰り返しの介入効果についての検討がなされる必要がある.
著者
樋口 進
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.57-71,100, 1989

Joachim Hirsch hat in letzten Jahren einen neuartigen marxistishen Ansatz zur Analyse kapitalistischer Gesellschaft entwickelt. Die zwei wichtigsten theoretischen Quellen für diesen neuen Ansatz sind die westdeutsch Staatsableitungsdebatte und die französische Regulationsschule. Beide versuchten seit den siebziger Jahren, eine reduktionistische, Ökonomistische Analyse der kapitalistischen Geselschaft zu überwinden: die erste durch die Analyse des Staates, die zweite durch eine nicht-ökonomistische Analyse der Ökonomie.<br> Für beide Theorien gilt, dass die kapitalistische Geselschaft wegen der Klassenintegration den Staat oder die Regurationsweise als eine besondere, vom unmittelbaren Produktionsprozess des kapitals formel getrennte Instanz herausbilden muss, und dass deshalb eine Analyse der dynamischen Regulation statt der invarianten Reproduktion erforderlich ist.<br> Ich konzentiere mich auf sowohl die Gemeinsamkeit auch die Verschiedenheit zwischen Regulationstheorie und Staatsableitungsshule (insbesondere Hirsch).
著者
樋口 進
出版者
学校法人 夙川学院 夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学教育実践研究紀要 (ISSN:18835996)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.13, pp.3-8, 2019 (Released:2019-10-04)
参考文献数
7

夙川学院に短期大学が設置されたのは、1965 (昭和40)年1月25日であり、同年4月20日に開学式を挙行して、教育が開始された。このとき、短大の教育理念は特には定められなかったが、戦後夙川学院が教育理念とした「キリスト教精神」は前提であったようである。しかし、礼拝とかキリスト教の授業科目を配置するということはなかった。ただ、入学式や卒業式が礼拝形式で行われ、またクリスマス行事などもあり、ここにわずかに「キリスト教精神」が生きていたと言うことができる。『九十年史』には、二代目学長の高木俊蔵の文として次のように記されている。「夙川学院は古くから宗教的情操教育を重視し、短大も創設以来この伝統を守ってきた1。」そして、短大の「教育理念」としては、1980 (昭和55)年に次のように定められた。すなわち、「愛と誠実」「清新な学識」「清楚にして優雅」である。これは、短期大学 教授の増谷くらの提案をもとにして専門委員会、教授会で検討したものということである2。『百年史』には、次のようにある3。「第一項では女性といわず、人間として基本的に求められる項目が述べられ、第二項では、教養豊かにして、専門とする学識に秀で、技能に熟達した女性が、社会の発展に寄与することを願い、短期大学が教授するものは、諸学•技術の基礎から、現代におけるその展開•応用に至ることを示唆している。そして学生が、自発的に研鑽し、探究心 を深めてくれるように願っているのである。第三項では、本学の学生が歴史と伝統に育まれた夙川学院の構成員としての自覚と誇りを持って、しかも学生らしく清楚であって、言動優雅であることを希求しているのである。」この中で、第一項の「愛と誠実」に関しては、夙川学院が戦後教育理念としたキリスト教思想を反映したものと思われる。イエス•キリストは、最も重要なこととして、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」ということと、「隣人を自分のように愛しなさい」ということを教えた(マタイによる福音書22:37-39、マルコによる福音書12:29-31)。また、イエス•キリストは、「正義、慈悲、誠実を最も重要なこととして行うべきだ」と教えている(マタイによる福音書23:23)。以下、聖書において「愛」と「誠実」がどのように言われているかについて検討したい。
著者
松井 敏史 櫻井 秀樹 遠山 朋海 吉村 淳 松下 幸生 樋口 進
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.630-635, 2012
参考文献数
20

Wernicke's encephalopathy (WE) is the best known acute neurologic complication of vitamin B_1 (B_1) deficiency and often occurs in chronic alcoholism. The plausible causes of B_1 deficiency in alcoholics depend on the underlying mechanisms, such as a low dietary intake of B_1, inadequate absorption of B_1 from the intestine due to the gastrointestinal tract damage, and coexistent alcoholic liver disease altering the capacity of B_1 storage and the metabolism of biologically important nutrients. Because the use of the classic triad of WE may overlook a mild form of WE that can be detected as inactive WE pathology, Caine and colleagues have proposed the clinical criteria for diagnosis of WE in chronic alcoholics based on the clinical-neuropathological correction. The Caine criteria include dietary deficiency, oculomotor abnormalities, cerebellar dysfunction and either altered mental status or mild memory impairment, two of which are required for diagnosis of clinical WE. In our cohort, 13 alcoholic patients who fulfilled the Caine criteria were followed up and CSF-tau levels increased at the acute stage of the disease and then decreased at the chronic stage, suggesting that the patients have a transient neuronal damage. The Caine criteria enabled an immediate intravenous administration of B_1 and provided a favorable prognosis. For the therapy of WE, parenteral treatment with a high dose of B_1 is now recommended. A typical regimen is that 500 mg of B_1 is intravenously administered three times daily for two consecutive days and 500 mg of B_1 is intravenously administered once daily for additional five days, in combination with other B vitamins. After establishment of a sufficiently low threshold for parenteral B_1 treatment, the B_1 treatment should be conducted in all alcoholic patients with altered mental status, oculomotor disorders or ataxia.
著者
瀧村 剛 樋口 進
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.5, pp.308-314, 2016 (Released:2018-07-12)
参考文献数
12

平成25年に成立したアルコール健康障害対策基本法に基づき,現在,アルコール健康障害対策推進基本計画の策定が進められており,平成28年6月までには公表される予定である。お酒は百薬の長と言われているが,一方では,アルコール依存症,飲酒運転等,多くの問題も抱えている。基本計画では,「不適切な飲酒の誘因防止」に関する施策も講じられると聞いている。酒類の製造,販売に携わる者にとってアルコールのマイナス面への対応も大切なことであり,法律の背景と概要について解説していただいた。
著者
中山 秀紀 樋口 進
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-16, 2020

<p>近年インターネットやゲームの依存的使用が重大な問題になっている.特にゲームの問題使用に関しては,インターネットゲーム障害(IGD)や,ゲーム障害(症)として,DSM-5やICD-11の中の診断基準に盛り込まれるようになった.そして思春期世代のIGDが疑われる人は1.2–5.9%の間と推計されている.インターネットやゲームの依存的使用は,注意欠如多動性症や精神症状の悪化,睡眠問題との関連が指摘されている.治療として,認知行動療法などの心理・精神療法や,合併精神疾患(発達障害)に対する治療,また心理療法やアクティビティなどを組み合わせた治療キャンプなども試みられている.特に発達障害やその傾向にある人ではリスクが増大するようであり,保護者等への啓発や療育の役割は大きいと考えられる.子どもたちの健全な育成のために,多くの関係諸機関が連携して予防的,治療的取り組みが進められることが望まれる.</p>
著者
松崎 尊信 樋口 進
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.351-354, 2018-07-20 (Released:2018-07-27)
参考文献数
6

2013年12月に「アルコール健康障害対策基本法」が成立し,2014年6月に施行された.この基本法の基本理念は,アルコール健康障害の発生,進行及び再発の各段階に応じた防止対策を適切に実施し,日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう支援するものである.この基本法に基づくアルコール健康障害対策基本計画が2016年6月に閣議決定され,取り組むべき重点課題に沿って,国の政策が進められている.