著者
中村 拓 園部 達也 戸田 裕行 藤澤 奈緒美 武富 貴史 プロプスキ アレクサンダー サンドア クリスチャン 加藤 博一
出版者
一般社団法人 測位航法学会
雑誌
測位航法学会論文誌 (ISSN:21852952)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-12, 2019 (Released:2019-06-01)
参考文献数
13

船舶の着桟支援を想定したロバストな高精度測位手法を開発した.本手法は,自船に固定したカメラで撮影した動画像データ,複数のGNSSアンテナから受信した民生用L1信号データ,及び,6軸IMUデータの融合により実現する.動画像データの視覚オドメトリを用いて,港湾構造物の3次元構造を復元しつつ,6軸IMUデータとGNSS衛星単位の搬送波位相の時空間変化量とのタイトカップリングによって高精度に自船の軌跡を推定する新しいオドメトリ技術を構築した.さらに,クロックを共有した複数のGNSS受信機のクロックドリフト推定を共通化することで,約10cmの高精度な軌跡精度を維持するための衛星数の条件が緩和できたことを確認した.
著者
佐藤 友紀 宮 雅一 藤田 征吾 廣川 類
出版者
一般社団法人 測位航法学会
雑誌
測位航法学会論文誌 (ISSN:21852952)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.11-20, 2016 (Released:2017-04-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

複数の可視の測位衛星から,準天頂衛星のL6信号のビットレートの範囲内で補強対象とする衛星の組み合わせを決定するアルゴリズムを開発した.DOPを評価指標として組み合わせの時系列を準リアルタイムに計画し,リアルタイムで得られる各衛星のインテグリティ情報を反映して,各時刻での組み合わせを決定する.GPS,準天頂衛星,GLONASS,Galileoを対象としたシミュレーションを行い,選択された組み合わせによる日本の各地域でのオープンスカイを想定した環境下のDOPから,アルゴリズムの妥当性を確認した.本アルゴリズムは,4機体制時の準天頂衛星システムのセンチメータ級測位補強サービスに適用する.
著者
秋山 征己 須永 光 五百蔵 重典 田中 博
出版者
The Institute of Positioning, Navigation and Timing of Japan
雑誌
測位航法学会論文誌 (ISSN:21852952)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-8, 2012
被引用文献数
1

超音波センサを用いた測位システムは,測位エリアの制約はあるものの高精度な測位が可能であり,一般に屋外に比べて高い測位精度が要求される屋内での利用に有利である.本論文では逆GPS 法とよばれる手法による超音波測位システムを実用的なものとすることを目的に,測位エリアの広域化と複数の測位対象の収容を可能とするための方法と構成について検討し,検証のための試作と評価を行った結果を述べる.静止物体および移動物体を用いた測位精度評価実験の結果,測位誤差が最大でも100mm以下に抑えられており,要求精度を十分に満足していることを示す.さらに応用例として移動ロボットを用いて歩行者ナビゲーションを想定した模擬実験を行い,システムの有用性を確認した結果を示す.