著者
萱村 俊哉 Toshiya Kayamura
雑誌
情報教育研究センター紀要 (ISSN:21880425)
巻号頁・発行日
no.24, pp.12-14, 2016-07-15

最近,中国や韓国を中心に,インターネットゲームによる心身の障害の事例が多数報告され,DSM-5 においても「今後の研究のための病態」としてインターネットゲーム障害(IGD)が取り上げられている。インターネットゲームは一般に,チームでプレイし,そこでは社会的相互作用が生起する。つまり,インターネットゲームは「SNS」と「ゲーム」という2つの「バーチャル社会」から構成され,プレイヤーはこれら二重のファンタジーに囚われているのである。本稿では,DSM-5に取り上げられたIGD(有病率,危険因子,併存症,脳機能)を紹介するとともに,IGDの好発年齢である青年期より前の児童期からの予防的介入がとくに求められることを指摘した。
著者
萱村 俊哉 Toshiya Kayamura
雑誌
武庫川女子大学情報教育研究センター紀要 (ISSN:21880425)
巻号頁・発行日
no.25, pp.8-11, 2017-09-01

人工知能(Artificial Intelligence:以下,AI)の現状と今後の課題について,発達神経心理学の視点から考察した。人間の知能とAIは,感情や共感性の有無により峻別されること,そして今後のAI研究において,AIに人間の持つ感情や共感性を学習させることにより,人間とAIの距離を短縮させていくことの問題を指摘した。
著者
宇佐美 彰規 Akinori Usami
巻号頁・発行日
no.25, pp.4-7, 2017-09-01

大学生の授業外学習時間の少なさが問題として挙がる中で,e ラーニングは学生の自学自習の時間確保を担う手段でもある。本稿では,初年次教育の一環として,e ラーニングによる英語学習を一年間経験した学生を対象に,学習者の学習環境や学習計画性,そして教員の働きかけに関する質問紙調査を行なった。アンケートの結果を踏まえた上で,自律的に学ぶことができる学生を育てるe ラーニングの可能性について考察する。