著者
加茂 文吉 松下 宗一郎
出版者
コンテンツ教育学会
雑誌
コンテンツ教育学会誌 (ISSN:24342734)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.14-25, 2022-01-10 (Released:2022-02-28)
参考文献数
20

本論文では芸術とサイエンスを融合するSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, and Mathematics)の手法を用いた教育コンテンツ開発を,情報科学系大学学部の授業として実践した事例について論ずる.プロジェクトベースドラーニング(PBL)として週1回5時間,計14週にわたる授業において,従来の音楽授業における楽器や録音装置といった機材に加え,15名の履修者全員が腕時計型運動センサデバイス並びにノート型PCを使用することで,芸術とサイエンスの両面からギター演奏技法のレッスン手法開発と習得を目指した.アクセントつきコードストロークと呼ばれる演奏技法の検討を行った結果,ギター演奏における身体運動についての履修者の関心が深まることで,芸術的視点と科学的視点を融合した思考と実践へと到達することができた.
著者
高橋 光輝 戸田 千速
出版者
コンテンツ教育学会
雑誌
コンテンツ教育学会誌 (ISSN:24342734)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.24-33, 2017-03-08 (Released:2022-02-28)
参考文献数
26

国家政策及び産業構造の変化を勘案すれば,博士(コンテンツ)を授与する学位課程創設の重要性は論を待たない.純粋学問としての「コンテンツ学」を研究対象とする研究者養成の意義も少なくないが,それ以上に重要なことはコンテンツ業界における実務経験を有する社会人を対象とした実践系博士課程の構築である.こうした実践系博士課程においては,従来の研究者養成型博士課程とは異なり,学位取得要件として研究論文以外の実践的な活動も評価対象とすべきであろう.そこで筆者らはまず,コンテンツ分野における実践系博士課程構築の参考とするため,日本における研究者以外の人材を養成する博士課程の中でも,研究論文以外の実践的な活動も博士学位取得に際して評価対象とする,あるいは必須としている大学院―東京藝術大学大学院映像研究科,京都大学大学院総合生存学館(通称・思修館),東京理科大学大学院イノベーション研究科―について調査分析を行った.その上で,博士(コンテンツ)を授与する実践系博士課程を構築する場合の,学位要件の試案や方向性を検討する.