著者
椎野 顯彦
出版者
一般社団法人 日本脳神経外科認知症学会
雑誌
日本脳神経外科認知症学会誌 (ISSN:24360937)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-9, 2022-09-14 (Released:2022-09-14)
参考文献数
9

増加しつつある認知症を一般診療でどのように画像診断するか、一般臨床での有用性を中心に概説し、病理診断との比較結果をまじえてその注意点と限界について考察する。アルツハイマー病(AD)、前頭側頭葉変性症(FTLD)はデータベースを活用し、必要に応じて自件例の画像を使った。MRI の画像診断においては、voxel-based morphometry(VBM)を導入し、機械学習の有用性についても検討した。通常の画像診断は、必ずしも病理の結果とは一致しないものの、AD においては80%以上は一致していた。実際にはレビー小体病やTDP-43 などとの混合型も多くふくまれていることがわかった。AD の診断においては脳萎縮のパターンから機械学習を導入すると診断の精度の向上が期待できる。また、VBM はFTLD の診断にも有用と思われた。
著者
栁澤 琢史 畑 真弘 福間 良平 石井 良平 吉山 顕次 原田 達也 池田 学 貴島 晴彦
出版者
日本脳神経外科認知症学会
雑誌
日本脳神経外科認知症学会誌 (ISSN:24360937)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-6, 2021-02-26 (Released:2021-03-04)
参考文献数
23

認知症は世界的に増加傾向にあり、特に発展途上国での増加が目立つ。そこで、非侵襲的で安価な検査手法が望まれる。近年の深層学習の発展により、安静時脳波・脳磁図に深層学習を適用することで、旧来の脳波特徴に機械学習を用いた場合よりも高い精度で、安静時脳波・脳磁図を識別できるようになった。しかし、深層学習を医療応用する際には幾つかの注意点が挙げられる。本稿では我々が進めている認知症脳波の深層学習による識別を例にとり、安静時脳波・脳磁図を深層学習で識別する医療応用について概説する。