著者
西本 伸志 福間 良平 栁澤 琢史 貴島 晴彦
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.896-903, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
19

近年の機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) 技術の進展および機械学習技術の高度化に従い, 日常的な知覚・認知に関わる脳機能・脳内情報の定量的な解明が進んでいる. このような研究は, 全脳を対象とした包括的脳機能マップに基づく術前・術中の情報提供や, 侵襲脳計測・刺激技術を介した高度なブレイン・マシン・インターフェースなど, 先進的な技術の数理基盤となる可能性がある. 本稿ではこれら最近の脳情報の解明に関する現状と展望について紹介する.
著者
栁澤 琢史 畑 真弘 福間 良平 石井 良平 吉山 顕次 原田 達也 池田 学 貴島 晴彦
出版者
日本脳神経外科認知症学会
雑誌
日本脳神経外科認知症学会誌 (ISSN:24360937)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-6, 2021-02-26 (Released:2021-03-04)
参考文献数
23

認知症は世界的に増加傾向にあり、特に発展途上国での増加が目立つ。そこで、非侵襲的で安価な検査手法が望まれる。近年の深層学習の発展により、安静時脳波・脳磁図に深層学習を適用することで、旧来の脳波特徴に機械学習を用いた場合よりも高い精度で、安静時脳波・脳磁図を識別できるようになった。しかし、深層学習を医療応用する際には幾つかの注意点が挙げられる。本稿では我々が進めている認知症脳波の深層学習による識別を例にとり、安静時脳波・脳磁図を深層学習で識別する医療応用について概説する。