著者
岸本 章宏
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2004論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.1-8, 2004-11-12

将棋では別手順によって同一局面に至ることがあるために,詰将棋解答プログラムはハッシュ表を用いるのが普通である.ハッシュ表の利用によって,探索に必要な空間を大幅に減らすことができるのだが,将棋には元の局面に戻る手順が存在するために詰将棋プログラムでは,詰む問題を不詰めと間違えるGHI(Graph History Interaction)問題を引き起こすことがある.本論文では[8]の手法を利用してGHI問題に対する正当でかつ効率のよい解決策を提案する.さらに本手法を詰将棋プログラムに実装した結果,詰みの性能を保持しつつ,難解な不詰の問題を解くことに成功した.