著者
廣瀬 雄一
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 = Japanese journal of brief psychotherapy (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.72-80, 2014

「書き換え療法」としても知られるナラティヴ・セラピーはオーストラリアのM.ホワイトとニュージーランドのD.エプストンらによって発展した。ナラティヴ・セラピーは心理療法の領域にとどまらない幅広い領域で用いられているが,日本においては西洋との文化的差異もあってか,うまく機能しない場合もあるように思われる。それに対して日本生まれの森田療法が,これを補うことができるのではないかと筆者は考えている。筆者は復職デイケアクリニックであるリワークで勤務している。私はここでナラティヴ・セラピーと森田療法の併用を試みている。本研究の目的は,実際のケースを提示しながら,この2つの療法の組み合わせがどのように機能するのかについて検討することである。
著者
木内 敬太 青木 安輝 岸 克昌 矢口 明子 山本 立樹
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 = Japanese journal of brief psychotherapy (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.4-16, 2015

本研究では,解決志向アプローチ(SFA)によって促進し得る,職場の肯定的な相互作用を測定するための心理尺度,二層性解決志向コミュニケーション尺度(BSIS:Bi-1evel Solution-focused Interaction Scale)を開発し,その信頼性と妥当性を検討した。第1研究では,SFAの実践家85名を対象に自由記述式の質問紙調査を実施し,質問項目を作成した。第2研究では,SFAの実践家と製造業企業の従業員を対象に質問紙調査を行い(n=536),尺度構成を行った。第3研究では,別の製造業企業の従業員を対象に質問紙調査を行い(n=211),尺度の信頼性と妥当性を検討した。本研究によりBSISの信頼性と妥当性が確認された。今後本尺度によって職域におけるSFAの研究と実践が促進されることが期待される。