著者
金子 茂
出版者
二松學舎大学
雑誌
二松学舎大学國際政経論集 (ISSN:09193693)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.73-85, 2000-03-25

日本とアジア諸国のカバディ選手の身長・体重および年齢についての実態を分析して,得られたことを以下に要約する。1.第11回北京アジア大会出場の全日本カバディ選手の身長は174.8±3.4cm,体重は68.6±4.0kgである。年齢は,21.5±1.4歳であった。第12回広島アジア大会の全日本選手は,身長176.7±5.1cm,体重は,71.1±4.4kgである。年齢は,21.0±1.8歳であった。第13回バンコクアジア大会では,身長173.7±4.4cm,体重70.9±4.6kgであった。年齢は24.6歳±1.5歳であった。三つの大会をコミにしてみると,身長が175.0±4.4cm,体重が70.3±4.5kgであった。おおづかみにみて,全日本カバディ選手の身長は175cm前後,体重は70kg前後というところである。年齢については,大学卒業後数年の25歳前後が一番力を発揮できる頃と心算するが,バンコクアジア大会の全日本選手の24.6歳は筆者の考える国際的に力を発揮するカバディチーム編成に符合する。2.第12回広島アジア大会出場選手の身長では,パキスタンチームが177.6±6.7cmと一番大きい。体重でも78.8±0.9kgと一番重く,標準偏差の0.6kgからも規則ぎりぎりの80kg以下の選手でチームを編成してきていることが示されている。各国間の身長の比較をすると,インドとネパールに4.6cmの差があり,パキスタンとネパール間には5.5cmもの開きがみられる。体重においても,インドに4.1kg,日本に7.1kg,ネパールに10.4kgもの差がみられた。広島大会参加の5ケ国の選手をコミにしてみると,身長が175.6±5.2cm,体重が73.1kg±4.7kgである。年齢は,比較的若く,22.6±3.8歳であった。身長と体重の相関係数は,r=0.399(5%水準で有意)ほどであった。3.第8回南アジア連盟大会出場5ケ国(インド(金メダル),パキスタン(銀メダル),スリランカ(銅メダル),ネパール(4位),バングラデシュ(5位)の身長・体重・年齢についてみると,バングラデシュの身長が一番高く181.6±1.3cmであり,インドを5.5cm,ネパールを5.2cm,スリランカを4.3cm上回っていることがわかった。体重については,数値的に違いがみられるのみにとどまった。5ケ国の全選手をコミにしてみると,身長が177.7±4.2cm,体重が74.1±4.1kgというところであった。年齢では,25.4±2.8歳であった。4.第13回バンコクアジア大会出場選手の体重についてみると,パキスタンが79.0±0.4kgと一番重く,次いで,インドの78.4±1.1kg,スリランカの75.3±3.6kg,バングラデシュの74.6±3.6kgなどとなっている。日本は70.9±4.6kgであった。パキスタンチームの体重がアジア連盟規則の80kg以下ぎりぎりのチーム編成をしてきていることが数値からもわかった。しかも体重の標準偏差も±0.4kgと小さく,それだけ80kgに近い選手が集まっていることを物語っている。ちなみに,インドが金メダル,パキスタンが銀メダル,バングラデシュが銅メダル,スリランカは惜しくも銅メダルを逸したが,バングラデシュと引き分けての得失点率で敗れた。こうして見ると,体格的に優位なチームが上位を占めていることに着目できる。日本の体重は70.9±4.6kgであった。5.アジア大会参加のカバディ選手と他のスポーツの選手との比較するために,第8回南アジア連盟大会をT-スコアで50点とし,またその伸びについてみると,全日本男子ハンドボール選手の身長・体重が上回り,T-スコアでみると,身長で65.5点,131%,体重で72.4点,144.8%である。'96世界野球出場全日本男子選手が身長・体重で上回り,T-スコアで53.1点,106.2%,体重で62.0点,124.0%を示している。'96世界野球に出場したキューバ選手には,南アジア大会カバディ選手が,身長で上回り,体重では下回った。J1のサッカー選手との比較では,身長ではJ1選手が51.0点,102%とわずかに上回っているが,ほとんど同じ位であるといえる。体重では,J1選手が40.2点,80.4%と,カバティ選手が10点,20%近く上回っていることが示された。
著者
田村 紀之
雑誌
二松学舎大学國際政経論集
巻号頁・発行日
no.26, pp.57-86, 2020-03-27
著者
田端 克至 タバタ カツシ Katsushi Tabata
雑誌
二松学舎大学國際政経論集
巻号頁・発行日
vol.13, pp.19-38, 2007-03

本論文では、マンデル・フレミングモデルの妥当性について検証した議論を整理し、実際に日本経済への応用を試みた。マンデル・フレミングモデルには、現実経済を説明するだけの有効性があると結論づけている。具体的には、BQ(Blanchard-Quah)法を用いて、この理論の妥当性を検証した。
著者
金子 茂 カネコ シゲル Shigeru Kaneko
雑誌
二松学舎大学國際政経論集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.73-85, 2000-03-25

日本とアジア諸国のカバディ選手の身長・体重および年齢についての実態を分析して,得られたことを以下に要約する。1.第11回北京アジア大会出場の全日本カバディ選手の身長は174.8±3.4cm,体重は68.6±4.0kgである。年齢は,21.5±1.4歳であった。第12回広島アジア大会の全日本選手は,身長176.7±5.1cm,体重は,71.1±4.4kgである。年齢は,21.0±1.8歳であった。第13回バンコクアジア大会では,身長173.7±4.4cm,体重70.9±4.6kgであった。年齢は24.6歳±1.5歳であった。三つの大会をコミにしてみると,身長が175.0±4.4cm,体重が70.3±4.5kgであった。おおづかみにみて,全日本カバディ選手の身長は175cm前後,体重は70kg前後というところである。年齢については,大学卒業後数年の25歳前後が一番力を発揮できる頃と心算するが,バンコクアジア大会の全日本選手の24.6歳は筆者の考える国際的に力を発揮するカバディチーム編成に符合する。2.第12回広島アジア大会出場選手の身長では,パキスタンチームが177.6±6.7cmと一番大きい。体重でも78.8±0.9kgと一番重く,標準偏差の0.6kgからも規則ぎりぎりの80kg以下の選手でチームを編成してきていることが示されている。各国間の身長の比較をすると,インドとネパールに4.6cmの差があり,パキスタンとネパール間には5.5cmもの開きがみられる。体重においても,インドに4.1kg,日本に7.1kg,ネパールに10.4kgもの差がみられた。広島大会参加の5ケ国の選手をコミにしてみると,身長が175.6±5.2cm,体重が73.1kg±4.7kgである。年齢は,比較的若く,22.6±3.8歳であった。身長と体重の相関係数は,r=0.399(5%水準で有意)ほどであった。3.第8回南アジア連盟大会出場5ケ国(インド(金メダル),パキスタン(銀メダル),スリランカ(銅メダル),ネパール(4位),バングラデシュ(5位)の身長・体重・年齢についてみると,バングラデシュの身長が一番高く181.6±1.3cmであり,インドを5.5cm,ネパールを5.2cm,スリランカを4.3cm上回っていることがわかった。体重については,数値的に違いがみられるのみにとどまった。5ケ国の全選手をコミにしてみると,身長が177.7±4.2cm,体重が74.1±4.1kgというところであった。年齢では,25.4±2.8歳であった。4.第13回バンコクアジア大会出場選手の体重についてみると,パキスタンが79.0±0.4kgと一番重く,次いで,インドの78.4±1.1kg,スリランカの75.3±3.6kg,バングラデシュの74.6±3.6kgなどとなっている。日本は70.9±4.6kgであった。パキスタンチームの体重がアジア連盟規則の80kg以下ぎりぎりのチーム編成をしてきていることが数値からもわかった。しかも体重の標準偏差も±0.4kgと小さく,それだけ80kgに近い選手が集まっていることを物語っている。ちなみに,インドが金メダル,パキスタンが銀メダル,バングラデシュが銅メダル,スリランカは惜しくも銅メダルを逸したが,バングラデシュと引き分けての得失点率で敗れた。こうして見ると,体格的に優位なチームが上位を占めていることに着目できる。日本の体重は70.9±4.6kgであった。5.アジア大会参加のカバディ選手と他のスポーツの選手との比較するために,第8回南アジア連盟大会をT-スコアで50点とし,またその伸びについてみると,全日本男子ハンドボール選手の身長・体重が上回り,T-スコアでみると,身長で65.5点,131%,体重で72.4点,144.8%である。'96世界野球出場全日本男子選手が身長・体重で上回り,T-スコアで53.1点,106.2%,体重で62.0点,124.0%を示している。'96世界野球に出場したキューバ選手には,南アジア大会カバディ選手が,身長で上回り,体重では下回った。J1のサッカー選手との比較では,身長ではJ1選手が51.0点,102%とわずかに上回っているが,ほとんど同じ位であるといえる。体重では,J1選手が40.2点,80.4%と,カバティ選手が10点,20%近く上回っていることが示された。
著者
一木 毅文 イチキ タケフミ Takefumi ICHIKI
雑誌
二松学舎大学國際政経論集
巻号頁・発行日
no.14, pp.117-136, 2008-03

近年、中国の貿易構造が高度化している。この背景には、WTO加盟後に急増する先進国からの外資メーカーの進出があるが、外資優遇に対する国内の反発から中国の外資政策は転換した。本稿は、中国の政策転換を明らかにした上で、政策転換が進出外資にどのように影響するのか、そして外資企業を通して中国経済にどのような影響を与えるかを明らかにする。その際、自動車産業に注目する。自動車産業は中国では基幹産業として育成されており、外資進出の増加によって、中国の自動車生産台数は世界の10%を占めるまでに成長している。また、自動車産業は貿易構造が高度化した原因である機械・輸送機産業の中核であり、貿易構造高度化の要因となる焦点産業である。2004年に発表された自動車産業政策においても外資政策と同様に、外資に対して先進技術を求める方向へ政策シフトした。自動車産業では1990年代後半以降に外資の進出が相次ぎ、生産台数が増加したが、今後は政策転換によって先進国へも輸出できる技術水準の自動車を中国内で調達した部品で生産することが自動車メーカーに求められている。1990年代後半からの中国自動車産業の発展を牽引したのは日系メーカーであったが、日系メーカーが集中する広東省では産業集積が進展している。自動車メーカーの進出を受けて、広東省には日系の系列サプライヤー進出もほぼ完了して、技術度の高い部品も生産しており、進出日系メーカーは既に産業政策の転換に対応できる状況にある。日系メーカーの中国進出戦略は系列サプライヤーの進出をもたらすことで、中国の産業高度化に寄与し、産業高度化の結果として貿易構造の高度化も生じている。中国自動車産業の発展は中国内に技術を持込む日系メーカーを軸に進展しており、今後も産業高度化、貿易構造の高度化は進展するものと考えられる。
著者
金子 茂
出版者
二松學舎大学
雑誌
二松学舎大学國際政経論集 (ISSN:09193693)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-13, 2004-03-25
著者
張 艶 Yan Zhang
雑誌
二松学舎大学國際政経論集
巻号頁・発行日
vol.14, pp.137-158, 2008-03

中国の株式市場は1990年から本格的にスタートし、中国経済の急成長とともに急速に伸びてきた。現在、新興国の株式市場として大きく注目されており、その存在感はますます高まっている。中国株式市場が成長する一方、株価の変動も激しく、低迷の時期も経験した。政府は株式市場の安定成長を目指して、非流通株の放出、法制度の整備など、次々と政策を打ち出し、試行錯誤を繰り返しながら、中国の株式市場はその形を整えつつある。本論文では、中国の株式市場を考察し、株式市場の発展、問題点および株式市場に影響する要因を明らかにし、株式市場に対する政策のインプリケーションを導き出す。本論文では、中国の株式市場を分析対象として、まず、株式市場の発展過程と問題点などについて考察した。そして、中国の株式市場をより的確に理解するために、データ生成過程(DGP)の慎重な検討を踏まえて、I(0)変数という点で、上海総合指数、固定資産投資、工業総生産、社会商品小売総額の4変数について、Granger因果性テスト、インパルス反応、分散分解などの分析を試みた。Granger因果性テストでは、上海総合指数に対して、固定資産投資、社会商品小売総額からGrangerの意味での因果関係はあった。工業総生産は上海総合指数に対し、Grangerの意味での因果関係はない。さらに、DGPの視点から、4変数VARモデルが中国の株価を分析する上で有益であることを明らかにした。インパルス反応では、固定資産投資、工業総生産、社会商品小売総額3変数のうち、株価にもっとも影響するのは固定資産投資であった。次は、家計消費の代理変数と考えられる社会商品小売総額であった。分散分解では、上海総合指数の変動は3変数のうち、固定資産投資がもっとも大きく説明できた。固定資産投資は中国経済の高度成長を牽引しているだけでなく、中国の株式市場にも影響していることが分かった。高成長の中国では、過剰な固定資産投資はいつも問題視されているが、その急激な縮小は不測の混乱をもたらす恐れがあるため、緩やかな調整が望まれる。The stock market in China started in 1990, and has expanded rapidly. Stock fluctuation has been very sharp as the stock market has matured in China. The government has implemented policies one after another aiming at the stable growth of the stock market. The purpose of this paper was as follows. I clarified development and problems of the stock market in China, analyzed the factors that influence the stock market, and derived implications of the policy for the stock market. In this paper, first of all, development and problems of the stock market were considered. Then after the data generation process was carefully examined, from the viewpoint of 1(0) variables, analyses were tried using the Granger test, impulse response, and variance decomposition of four variables (Shanghai stock exchange composite index, investment in fixed assets, total industrial production, and total retail amount of commodities). With the Granger test for the Shanghai stock exchange composite index, there were Granger causal relations from investment in fixed assets and the total retail amount of commodities, but there was not a Granger causal relation from total industrial production. Furthermore, it was clarified that a four-variable VAR model was useful for analyzing the stock market in China from the viewpoint of DGP. In impulse response, it was investment in fixed assets that influenced the Shanghai stock exchange composite index most among the three variables. Next in order of influence was total retail amount of commodities. In variance decomposition, investment in fixed assets was most useful in explaining the fluctuation of the Shanghai stock exchange composite index among the three variables. It has been understood that investment in fixed assets not only stimulates the high growth of the economy, but also influences the stock market in China. Although excessive investment in fixed assets is always brought into question now, gradual adjustment is expected because sudden reduction might bring unexpected confusion.