著者
小野 愛 弓勢 久美子 竹本 哲行
出版者
京都府農業総合研究所
雑誌
京都府農業研究所研究報告 (ISSN:02888386)
巻号頁・発行日
no.27, pp.19-24, 2007-03

開花期の年次変動が少ない赤色系の盆小ギク2系統を育成した。1.温度による開花期の変動が比較的少ない7月から8月咲きの小ギクを交雑親として選定し、人工交配を行い、開花期の年次変動が少ない「H-13」および「H-42」を育成した。2.「H-13」は、育成地(京都府京田辺市:2001年、京都府亀岡市:2003年-2005年)において、4月中-下旬に定植すると8月上旬に開花した。2004年と2005年に京都府内の気候の異なる3地域(宮津市、亀岡市、京田辺市)で現地試験を行ったところ、開花日はいずれも8月上旬であった。開花時の草丈は約90cm、花房の形は円錐形、舌状花の表面の色は濃赤紫(JHSカラーチャート:9209)であった。3.「H-42」は、育成地において「H-13」と同様の栽培を行うと、7月下旬から8月上旬に開花した。2004年と2005年の現地試験における開花日はいずれも7月下旬であった。開花時の草丈は約80cm、花房の形は平形、舌状花の表面の色は濃赤紫(JHSカラーチャート:9509)であった。4.「H-13」、「H-42」ともに開花期の年次変動が少なく、府内全域に適応すると考えられた。