著者
榎本 美香 伝 康晴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 98回 (2023/9) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.43-48, 2023-08-25 (Released:2023-08-25)

我々は、野沢温泉で行われている道祖神祭り(1月)、湯澤神社例祭(9月)の準備作業を、11年間に渡って調査し続けてきた。年々、過疎化や少子化により祭りの執行者の人数が減る傾向にあり、それに伴い作業の簡略化や業者への委託など、慣習的な祭りの執行形式が変遷してきている。従来は、長時間に及ぶ力作業を要する非常につらい作業を共に行うことで、大きな達成感が得られ、執行者たちの間に強い結束感が生じていた。仲間と過ごすそれらの時間が徐々に失われつつあることが、この祭りを通した執行者たちの地域コミュニティの絆へどのように影響するのかについて考察する。