著者
鈴木 覚 河村 雄行
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.71-75, 2006-03-22

ナトリウム型スメクタイトの層間水の分子構造と鉱物--水相互作用の関係について分子動力学法に より研究した.層間水の振動スペクトルは3365と3500cm-1 にピークを持ち,赤外吸収測定結果とほ ぼ一致している.後者は粘土表面に向かって配向したO-H 結合に帰属され,前者は配向していない O-H 結合に帰属される.水素結合距離(H...O距離)は,水分子--粘土表面間(0.22nm)の方が水 分子--水分子間(0.19nm)よりも長く,振動数との関係も調和的であった.
著者
河村 雄行
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.3-11, 2006-03-22

水分子を含む系の分子シミュレーション計算を行うため,有効原子間相互作用モデルを構築した.モ デルは原子の運動に関して全自由度を有するもので,かつ,水や氷などの凝集体の構造や物性を定量 的に再現できるように最適化された.構造や平衡物性以外に,分子振動スペクトルや誘電率での定量 的再現性が示された.さらに,水和物結晶への応用の有効性が示されている.
著者
相田 美砂子 田中 雅人
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.21-30, 2006-03-22

The distribution of solvent water molecules around an alkali metal ion is calculated using Monte Carlo method and compared with the optimal configuration. The analysis of the orbital interaction between an alkali metal ion and the surrounding solvent molecules is performed for aqueous solutions of Li+, Na+ and K+, by means of ab initio MO method,with the aid of QM/MM method. The effect of alkali metal ion orbitals reaches as far as 6Å,7Å and 9Å for Li+, Na+ and K+, respectively. This effect is caused by the orbital interactions between the valence orbitals of an alkali metal ion and of the surrounding water molecules. Not only the electrostatic interaction but also the orbital interaction must not be neglected. The difference in the effect between the alkali metal ions is originated from the difference in the valence orbital extensions of the alkali metal ions.

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著者
本堂 武夫
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.70-70, 2006-03-22
著者
寺倉 清之 池田 隆司 Boero Mauro
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.57-69, 2006-03-22

多様な状況下で多様な振る舞いを示す水の性質の解明は,長い研究の歴史にも拘らず,なお物理化学, 生物の主要な研究課題となっている.第一原理分子動力学法に基づく計算機シミュレーションによる 水の研究から,水の基本的性質,超臨界水の物理と化学,高圧下のメタンハイドレードなどについて 解説する.