著者
佐藤 広英 太幡 直也
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-40, 2018-03-15

本研究の目的は,高齢者がインターネット利用に対してどのようなリスク,ベネフィットを認知しているのか,その具体的な内容を若年者との比較を通して検討することであった。高齢者および若年者を対象とする半構造化面接の結果,高齢者は若年者よりも詐欺被害に遭うリスクやウイルスに感染するリスクを認知していること,ネット自体に対する不安・恐怖を認知していること,インターネット上でのコミュニケーションに関するリスクをあまり認知していないことが示された。ベネフィット認知については,高齢者,若年者を問わず,情報収集の容易さや速さに対してベネフィットを認知していることが示された。その他,高齢者,若年者それぞれのインターネットの利用目的に対応したリスクやベネフィットが多く認知されることが明らかになった。
著者
辻 竜平
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.2, pp.67-79, 2015-03-15

口承文芸の一つの形態に昔話がある。本稿では,新潟県旧栃尾市で水沢謙一によって収集された「三枚のお札」のヴァリアントを事例に取り上げ,その地理的な分布と物語の内容の特徴が,通婚圏によって規定されているのではないかと考えた。農村集落では近隣集落から語り手の女性が結婚して移動したことから,近隣の農村集落間でヴァリアントの類似性が高く,かつ,比較的特徴的なものであると予想した。一方,町部では女性がより広域に移動したことから,町部における口承文芸のヴァリアントは,折衷的であまり特徴のないものになってしまうと予想した。コレスポンデンス分析の結果,予想はおおむね支持された。
著者
赤松 常弘
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.17-28, 1994-03-01