著者
丸 祐一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学社会文化科学研究 (ISSN:13428403)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.151-163, 2001-02-01

本稿の目的は、アメリカの法哲学者ロナルド・ドゥオーキンが提唱する憲法の読み方「道徳的読解(moralreading)」がどの様な考え方であるのかを明らかにすることである。ドゥオーキンは彼の一連の著作を通じて、法解釈には道徳的な考慮が不可欠であるという主張を繰り返している。その中でも、本稿で取り上げる「道徳的読解」という考え方は、その名称からしても、彼の主張を最も直裁に表していると言えよう。