著者
梁 姫淑
出版者
埼玉大学大学院文化科学研究科
雑誌
博士論文(埼玉大学大学院文化科学研究科(博士後期課程))
巻号頁・発行日
2014

序章はじめに一.張赫宙の生涯と日本語作品二.先行研究三.研究目的*第一章 戦後の出発はじめに一.「日本の国民に訴ふ」二.親日行為に対する弁明―「民族」三.在日朝鮮人文学者の嚆矢―金達寿四.民族の戦いを歌い上げる―許南麒おわりに第ニ章 在日朝鮮人民族団体との関わりはじめに一.戦後の歩み二.在日朝鮮人との関わり三.マスコミによる朝鮮人攻撃と張赫宙四.心の相剋とその行方おわりに第三章 実存的不安をめぐる作者の軌跡―「脅迫」論はじめに一.現実的不安と内的不安二.自己認識①―「弱気な自分」三.自己認識②―「母国語を持ってない異質な自分」四.実存的不安へ五.新しい文学への挑戦―児童向け著作おわりに第四章 日本語への回帰―「私の文学」を求めてはじめに一.占領下の児童文学二.張赫宙の児童向け著作三.児童向け著作における新しい興味性(可能性)四.「新しい文学」の志向性おわりに第五章 祖国に対する愛情のゆれ―『鳴呼朝鮮』論はじめに一.執筆背景及び同時代評二.祖国朝鮮の真実の姿三.変えられた結末四.愛情のゆれおわりに第六章 祖国を離れる者の願い―『無窮花』論はじめに一.朝鮮取材とルポルタージュ二.「民族的哀しみ」の本質三.「無窮花」と「毒の花」四.祖国を離れる者の願いおわりに*結章一.帰化後の自伝小説について二.習俗として残る民族の残滓―「異俗の夫」三.おわりに四.本論文の成果と課題初出一覧参考文献張赫宙戦後著作年譜
著者
坂田 寿子
出版者
埼玉大学大学院文化科学研究科
雑誌
博士論文(埼玉大学大学院文化科学研究科(博士後期課程))
巻号頁・発行日
2018

序章......2第一章 古典主義作品のモティーフ「地歌・上方舞」に至るまでのプロセス......5一、戯曲『象』における「保名狂乱」と「狐曾」谷﨑文学のテーマ「狐」、「母恋い」、「白」、「姉妹対象恋愛」の端緒と江戸趣味音楽......5二、『蘆屋道満大内鑑』における谷崎の恋愛傾向の原型―「姉、妹」との恋愛と狐に対する恐れと異類婚......18第二章 谷崎の江戸っ児意識と江戸趣味―芸能の視点から......26一、谷崎作品に影響を与えた下町庶民の愛好音曲......26二、谷崎の生活行動に見られる「江戸っ児」......44三、江戸趣味に隠された願望を紐解く『幇間』、『女人神聖』、『少年の脅迫』から―......45四、地歌・京舞への端緒―『朱雀日記』より―......55第三章 地歌曲目の視点から谷崎の作品を読み解く......60一、谷崎の地歌への開眼......60二、谷崎が愛した地歌......65三、「綾衣」、「由縁の月」―詞章から読み解く『蓼喰ふ蟲』の登場人物、老人とお久の心情とその背景......73四、「黒髪」―生身の女の情念の歌、『蓼喰ふ蟲』の美佐子の心情および晩年に至るまでの谷崎の「黒髪」に対する思い......83 ―主人公要のいる地歌「黒髪」と「雪」その裏に隠された妻美佐子とそのモデル千代夫人の情念―......83五、松子御寮人と「黒髪」......85六、「菊の露」丁未子夫人との結婚生活の破鏡と根津松子への恋慕の曲......91七、『卍』―谷崎の地歌熱中時代における地歌引用皆無の作品......104八、「茶音頭」の詞章と『春琴抄』および回想録『初昔』―谷崎自身と佐助、松子と春琴の役割、自己投影と松子御寮人から妻への二人の関係性の変化―......107九、地歌「茶音頭」に隠された人間関係『春琴抄』の「春琴」、「佐助」から『初昔』の「爺」、「婆」......110十、「茶音頭」と佐助......115 ―谷崎の分身佐助と佐助の盲目の真相―......115第四章 『細雪』......116一、戦前の谷崎文学の集大成の作品『細雪』の中での地歌・上方舞の重要性......116二、谷崎と上方舞「山村流」との関わり......117三、妙子と地歌「雪」......123第五章 『細雪』その後......129一、随筆「雪」......129二、山村流との訣別......133三、井上流との出会いと谷崎の老後と「残月」......135終章......141参考文献リスト......142