著者
菊池 八穂子 橋本 康弘
出版者
名古屋学院大学教職センター
雑誌
名古屋学院大学教職センター年報 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU KYOSHOKU CENTER NENPOU; The Annual Report of the Center of Teacher Training Course (ISSN:24326569)
巻号頁・発行日
no.1, pp.77-87, 2017-02-28

従来の憲法学習の多くは,憲法の三大原則を教え込んでしまう内容主義に陥っている。そのため,子どもたちになぜ憲法が必要なのか,という疑問を持たせることなく,受動的に憲法を受け入れさせてしまう。そして何よりも「憲法とは何か」という本質的な理解をさせることができない。初等教育における憲法学習の目的は憲法の内容を教えることではなく,民主主義国家の中での憲法の役割がわかるようにすることであると考える。民主主義国家における憲法の役割とは,国民の人権を保障するために政治に縛りをかけることである(憲法の制限規範性)。そしてこの政治に対する制限規範としての憲法の役割を理解させることのできる授業開発をすることが本研究の目的である。
著者
宇野 民幸
出版者
名古屋学院大学教職センター
雑誌
名古屋学院大学教職センター年報 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU KYOSHOKU CENTER NENPOU; The Annual Report of the Center of Teacher Training Course (ISSN:24326569)
巻号頁・発行日
no.1, pp.57-67, 2017-02-28

虫の視座で数を理解すると,はたしてどのようなことになるのか。特に虫のなかでも,「昆虫」の世界において考えると,その足の数は6本であるため,人間がふつう数を表現している十進法ではなく,自然と「6進法」による位取りをおこなっていると考えられる。初等教育や幼児教育に携わることを志望している学生にそのような導入をして,就学前から小学生になる段階で学ぶ「位取り」の原理について,子どもにとっては何が難しく,また,面白くあるポイントであるのか,身をもって感じて意識してもらうために試みている実践研究について,ここで紹介する。
著者
滝浪 常雄
出版者
名古屋学院大学教職センター
雑誌
名古屋学院大学教職センター年報 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU KYOSHOKU CENTER NENPOU; The Annual Report of the Center of Teacher Training Course (ISSN:24326569)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-10, 2018-02-28

本研究は読書指導の実質化を図るために,教員の読書指導支援プログラム開発の一環として,取り組んだものである*。いわゆる読書指導に長けた指導者が読書指導観として「どんな思いや考え,願い」を持って,読書指導を行っているのかを明らかにしようとした。今回H市立H中学校の図書館補助員Nさんの読書指導観についてインタビュー調査をもとに,ライフストーリー分析を行った。本稿においては,Nさんの(1)「図書館補助員に就くまでの経緯」(2)「読書指導観の形成過程と内実」(3)「読書指導実践」に3部に分けて分析考察した。Nさんは,生徒に対してかなり質の高い読書指導を行っており,その読書指導観は確固たる信念に裏付けられていることが分かった。その内実も生徒との信頼関係,生徒の居場所,生徒の直接的応答関係によって明らかになった。また生徒に対して読書好きにするための創意工夫された図書館経営実践と読書指導実践から得られた知見は,読書指導に悩み戸惑う教員へ重要な示唆を与えてくれるものと考える。
著者
滝浪 常雄
出版者
名古屋学院大学教職センター
雑誌
名古屋学院大学教職センター年報 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU KYOSHOKU CENTER NENPOU; The Annual Report of the Center of Teacher Training Course (ISSN:24326569)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-10, 2018-02-28

本研究は読書指導の実質化を図るために,教員の読書指導支援プログラム開発の一環として,取り組んだものである*。いわゆる読書指導に長けた指導者が読書指導観として「どんな思いや考え,願い」を持って,読書指導を行っているのかを明らかにしようとした。今回H市立H中学校の図書館補助員Nさんの読書指導観についてインタビュー調査をもとに,ライフストーリー分析を行った。本稿においては,Nさんの(1)「図書館補助員に就くまでの経緯」(2)「読書指導観の形成過程と内実」(3)「読書指導実践」に3部に分けて分析考察した。Nさんは,生徒に対してかなり質の高い読書指導を行っており,その読書指導観は確固たる信念に裏付けられていることが分かった。その内実も生徒との信頼関係,生徒の居場所,生徒の直接的応答関係によって明らかになった。また生徒に対して読書好きにするための創意工夫された図書館経営実践と読書指導実践から得られた知見は,読書指導に悩み戸惑う教員へ重要な示唆を与えてくれるものと考える。