著者
早川 尚志
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科「地域と環境」研究会
雑誌
地域と環境 = Region and environment (ISSN:13440985)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.91-108, 2014-12-26

日本の都城プランが中国の長安を模倣したものであるのに対し,恭仁京のプランは都を貫く大河,内在する港,偏在する内裏と「朱雀大路」,左右京に山地が介在する狭隘な甕原の選地,と例外だらけであったが,その原因は長らく究明されてこなかった。そこで筆者は恭仁京を隋唐のもう一つの都洛陽と比較検討することで,その例外性の原因に迫り,恭仁京が他の日本の都城と違って洛陽を模倣して成立したものである可能性が浮上した。
著者
山村 亜希
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科「地域と環境」研究会
雑誌
地域と環境 = Region and environment (ISSN:13440985)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-23, 2016-12-28

尾張犬山は,戦国期から近世前期にかけて形成された城下町である。本稿ではその形成期を4時期に区分して景観復原図を作成し,空間構造の形成過程を検討した。戦国期の犬山城下町は,起源も機能も異なる複数の集落の集合体であった。豊臣期に「竪町型」町割と総構が施工されたが,機能面でも計画の首尾一貫性という点でも不完全な「総郭・竪町型」であった。近世中期にその不備が解消されて「総郭・竪町型」の城下町が完成する。