- 著者
 
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             樽野 博幸
             
             河村 善也
             
             石田 克
             
             奧村 潔
             
          
 
          
          
          
          - 雑誌
 
          - 大阪市立自然史博物館研究報告 (ISSN:00786675)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.71, pp.17-142, 2017-03-31 
 
          
          
          
        
        
        
        中部日本に位置する熊石洞は,数多くの後期更新世の哺乳類化石を産出している.その中には,ヤベオオツノジカ(Sinomegaceros yabei)とヘラジカ(Alces alces)の2種の大型シカ化石が多量に含まれている.本稿では,体骨の詳細な記載と計測を行い,ヤベオオツノジカとヘラジカの体骨の識別点を初めて明確に示した.またヤベオオツノジカの肢骨を中国産のSinomegaceros 属の種,ならびにアイルランド産のMegaloceros giganteusの骨と比較した.その結果,ヤベオオツノジカは中国産のSinomegacerosよりもはるかに大きく,M. giganteus と同程度の大きさであることを明らかにした.