著者
竹村 淳子 津島 ひろ江 泊 祐子
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究 = The journal of child health (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.72-80, 2014-01

成人移行期に二次障害を発症した重症心身障害児の親が治療選択過程で発揮するレジリエンスの様相を明らかにするため, M-GTA の手法を用いて質的に分析した。その結果,親は《二次障害の予備知識のえ蓄え》を土台に,《二次障害出現の実感》をしていた。症状が出現すると《治療の価値と機能の喪失の聞で逡巡》しつつ, 《体調回復への努力》をしたが,わが子の体調悪化をみて《タイムリミットの見極め》をしていた。親は苦悩を断ち切り,二次障害の治療は, 《わが子が生きるための治療と判断》する。そして,〈この先も続く体調変化を受け止める覚悟〉をしながら.,《わが子の体調変化に向き合う覚悟》を高めてゆく。