著者
竹林 幹人 瀬谷 創 村田 祥之
出版者
応用地域学会
雑誌
応用地域学研究 (ISSN:1880960X)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.27, pp.1-16, 2024-03-31 (Released:2023-06-30)
参考文献数
22

本研究では、戦後の新幹線駅の新設が市区町村人口に与えた個別の処置効果をSynthetic Control Methodにより分析し、以下のことが示された。第一に、新幹線開業の効果は正負が混在する。第二に、処置効果は開業時の人口と正の相関を持つ。第三に、処置効果は経年的に、特に1980年代以降弱まっている。第四に、処置効果は現在の政令指定都市からの距離の増加に対して急激に弱まる傾向にあるが、減少は単調ではない。本研究は、Difference in Differences法や操作変数法によって分析された交通インフラ投資の効果計測に関する研究を補完するものである。
著者
髙瀬 陸 小林 隆史 大澤 義明
出版者
応用地域学会
雑誌
応用地域学研究 (ISSN:1880960X)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.25, pp.15-26, 2022-03-01 (Released:2022-03-03)
参考文献数
15

我が国では各地で「地域医療構想」が策定され病院の集約が検討されている。一方で、5Gなどの最新技術によるデジタル化の進歩で、病院間の連携はスムーズになり、そして住民は自宅で医療サービスを享受できるようになる。この二種類のデジタル化は病院の集約化にどのような影響を与えるのか、線分都市モデルを通して、投票と費用最小化との間に生じる齟齬、多数決のパラドックスに及ぼす影響を抽出する。さらに、集約化が進む医療高度化時代の費用構造に限定すると、投票ではハコモノ行政と揶揄される非効率な選択がされること、自宅病院間のデジタル化が改善、病院間デジタル化が改悪になることを明らかにする。