著者
中村 宏 近藤 正章 大河原 英喜 朴 泰祐
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. ハイパフォーマンスコンピューティングシステム (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.15-27, 2000-08-15
被引用文献数
21

近年のプロセッサは, クロック周波数の向上, 命令レベル並列性の活用などにより高性能化が図られているが, 一方で主記憶の性能はプロセッサほど改善されてはいない.特に, ハイパフォーマンスコンピューティングにおいては, このプロセッサと主記憶との性能格差の問題が深刻である.そこで, この問題の解決を目指した新しいプロセッサアーキテクチャSCIMAを提案する.提案するアーキテクチャは, プロセッサチップ上に主記憶の一部を実装するものである.本論文では, そのアーキテクチャの基本構成, およびシミュレータを用いた性能評価を示す.評価結果より, SCIMAは従来のキャッシュ型のアーキテクチャに比べ非常に高い性能を達成することが分かった.
著者
寒川 光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. ハイパフォーマンスコンピューティングシステム (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1-9, 2001-08-15

ガウス超幾何級数_2F_1(3/2, 3/2;3;x)を数値評価する問題は, グリーン関数法や境界要素法によって軸対称問題を解く場合に重要になる.通常の数値解析の教科書や数学公式集のように, この式を完全楕円積分の第1種と第2種を用いて計算すると, 両者の打ち消しあいのために精度が損なわれる区間が現れる.本論文はこの問題の解決方法を2つ提案する.Hastings公式と同形の式に基づく最良近似法と高精度テーブル法である.これにより精度が改善され, 後者の方法ではさらに高速化も達成される.