著者
伊賀 光屋 Iga Mitsuya
出版者
新潟大学教育学部
雑誌
新潟大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:18833837)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.169-192, 2014

本稿は主にJ.A. Smith et al.,(2009)に依拠して,IPAを概説しそれに基づいてIPAの問題点を論ずる。IPAは一人称の経験談を三人称の視点から分析する,現象学,解釈学,そして個性記述学から影響を受けた心理学的方法論である。IPAには様々な批判がなされているが,本稿ではその最大の問題点は二重の解釈といいながら,一人称+三人称の方法論に二人称の方法論が紛れ込んでいる点にあることを論じている。