著者
正本 安心 西野 秀昭
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 32 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.199-200, 2008-08-08 (Released:2018-05-16)
参考文献数
1

現在、血液中のコレステロール濃度増加が健康管理上特に問題視され、多くのメディアでも「コレステロールは悪者である」という科学からは程遠い扱いがなされている。しかし、そもそもコレステロールとは何か?体内ではどのような働きがあるのか?などの点にはあまり触れられておらず、一般的にその存在意義はうやむやにされている。近年、コレステロールは、その濃度が高い食品によっても血中濃度は上がらないこと、脊椎動物の発生を正常に進行させ、生命維持を行うという重要な役割を担っていることも明らかになり、コレステロールの役割について再認識するための科学的な教育が必要とされてきている。そこで、本研究では、メディアの情報に左右されやすい年代として高校生を選び、コレステロールに関する意識調査を行い、高校理科までの学習過程にある生徒にどのような理解がなされているのか調査を行った。ついで最新の疫学調査や細胞におけるコレステロールの存在意義、生合成関連や利用遺伝子の機能不全が原因とされる遺伝病などについて講義を行い、その後、意識変化の調査を行った。その結果,期待される意識変化が見られた反面、科学的知識には混乱が生じていることが明らかになった。